和菓子店・柳庵に「いらっしゃいませー」と明るく響く声。 声の主は原田明理。ドジをしながらも元気に働く彼女を、周りの店員たちが微笑んで見守っている。 そこに、突然、店のドアが開いた。入ってきた青年の顔を見て明理の顔が曇ってしまう。 「く、黒川くん・・・」 しきりに話し掛けてくる元店員の黒川に困惑顔の明理。店員の池田が黒川に注意するが、彼は聞く耳を持たず、店を出て行ってしまった。 そんなとき、店の奥で電話が鳴った。それは明理あての電話。 「・・・え、父が?」 電話の相手に平謝りした後、受話器を置いた明理は、深いため息をついた・・・。