「3人そろって関取」。そう意気込んで荒汐部屋に入門した大波三兄弟。しかし長男・若隆元は15年間、関取昇進を果たせず、弟たちは幕内優勝や三役の常連になるなど、その差は開くばかり。「かわいそうな長男だと同情されたくない」。その一心で稽古に励んできた。しかし33歳の体はこれまでにない悲鳴をあげ始める。「3兄弟の長男として」ではなく「一人の相撲取りとして」。土俵に立つ意味を探す長男と兄弟との物語。