美しい瀬戸内海をのぞむ島々を巡り、ピアノの音色をよみがえらせている人がいる。ピアノ調律師の塩見浩和さん。日本で一握りしかいないコンサートホールの調律を任される腕を持つ。大切にするのは、“正しい音”ではなく、その人が“楽しめる音”に整えること。プロから一般の家庭や、町の学校のピアノまで。ひとりひとりのために音を調整する。「ピアノの音色は、人の心をつなぐ」という塩見さん。ピアノと人々の再生の物語。