音姫のことを案じているうちに眠ってしまった義之は、朝、家の前で彼女が別れを告げる声を聞いて、慌てて飛び起き外に出た義之だったが、すでに遅く、音姫の姿は見えなかった。 しかも先に登校したのかと思いきや、彼女は欠席扱いになっていた。 義之は、いてもたってもいられず登校と同時に早退し、理由を知らせず姿を消した音姫の行方を追うことに。 しかし、街ゆく人々に尋ねても何の手がかりも得られない。仕方なく一度朝倉家に戻ってみると、由夢が待っていた。 小恋たちから事情を聞いていた彼女は、焦る義之を落ち着かせるため家に招く。 だが、彼が一息ついたところ、眠気に襲われ、義之はそのまま深い眠りに落ちてしまう。
眠った義之は、夢の中でさくらに出会い、全ての真相を打ち明けられた。 枯れない桜は本当に願いを叶えること。その木はさくらが研究したサンプルが元になっていること。 そして、彼女がその桜に願ったことで自分が作られたため、事故を防ごうと桜を枯らせば消えてしまうこと……。 自分の都合でみんなを不幸にした……と、涙をあふれさせ悔やみ続けるさくらだったが、義之は彼女に笑顔を向ける。 彼は自分という存在を生み出し、大切な人たちとの時間を過ごさせてくれたさくらを初めて「母さん」と呼び、感謝の気持ちを示すのだった。 その直後、夢から覚めた義之は、一人で悩み続ける音姫を救うべく駆け出した。もう彼女のいる場所はわかっている。 確信をもって枯れない桜の木のもとへ到着した義之は、そこで泣きはらしていた音姫に対し、島の人々のために自分の身を捧げる覚悟を伝えた。 そんな彼の