平凡な高校生・ウサトは生徒会長のスズネ、副会長でクラスメイトのカズキと共に、突如異世界に召喚された。 勇者としてリングル王国を救うよう頼まれる3人だったが、実は召喚された勇者はスズネとカズキの2人で、ウサトは巻き込まれただけだった! しかしウサトに治癒魔法の適性があることが判明すると状況は一変。そこに救命団団長を名乗るローズが現れる。
救命団に所属することになったウサトは早速ローズと地獄の訓練を開始する。 初日の訓練をこなし安心したのも束の間、翌日からひたすら走らされることに……。 ローズの治癒魔法で強制的に筋肉痛を治されながら地獄の訓練を続けていく中で、ウサトの体には徐々に変化が……。
ローズによって魔物がはびこる"リングルの闇″に放り込まれたウサトは、グランドグリズリーを狩るという試練のためにサバイバル生活を開始する。 最初はグランドグリズリーに圧倒されたウサトだが、観察を続けるうちに少しずつ愛着が湧くようになる。 数日後、意を決してグランドグリズリーを倒しに向かったウサトだったが、そこで凄惨な光景を目撃する……。
魔王軍との戦争が近いことを知らされたウサトは、ローズと同じように前衛としての活動ができるのか自信を持てないでいた。 "リングルの闇″で出会ったブルーグリズリーの子ども・ブルリンを背負い、いつものように訓練を続ける中、城下町で同じ治癒魔法を使うオルガと出会う。 同じ救命団の一員であるオルガの話を聞き、ウサトは救命団員としての覚悟を固めていく。
スズネの訓練に同行することになったウサト。 騎士のアルク、魔法使いのコリン、ブルリンと共に訓練に向かう途中で盗賊団と遭遇する。 難なく盗賊団を撃退していたウサトたちだったが、突如フォールボアの大群が襲来し、ウサトとスズネは弾き飛ばされてしまう。たどり着いた先はなんと”リングルの闇”。 ウサトとスズネはそこで野宿をすることになり……。
”リングルの闇”から生還したことをロイド王に報告するウサトとスズネ。 2人の無事を喜びつつも、普段と違う魔物の様子から不穏な気配を感じたロイド王は、状況を確かめるべくローズに偵察を命じる。 早速偵察に出たローズは、侵攻の準備を進める魔王軍と遭遇する……。 一方オルガとウルルが営む診療所を訪れたウサトは、オルガたちとともに事故現場に同行することに……。
獣人の少女・アマコに見せられた不穏なビジョンに困惑するウサト。 夜になっても気になり眠れないでいると、窓に不思議な光球が現れた。 光球に誘われるように外を見ると、そこにはカズキの姿が。 ウサトを前にカズキは、勇者として戦場に立つことが怖いと、おもむろに自身の気持ちを吐露し始める……。
5年前、リングル王国騎士団大隊長のローズは、副隊長のアウルをはじめ一癖も二癖もあるメンバーを集めた直轄部隊を率いていた。 ある日、偵察任務の命を受けたローズとアウルたち隊員は、”リングルの闇”へ向かうことに。 隊員同士の想いを確かめ合った翌朝、ローズたちは魔物を運び出そうとする謎の魔族の集団と遭遇する。その中には只ならぬ雰囲気を纏う一人の魔族の姿があった……。
”リングルの闇”で剣を交えるローズ直轄部隊と魔王軍。 ローズと隊員たちが魔王軍を少しずつ押し始め、戦況はローズたち優勢に傾きつつあった。 魔王軍の将・ネロは、ローズたちの実力を認め、自身の部下に捨て身の攻撃を命令する。 相打ち覚悟の攻撃に次々と倒れていく直轄部隊の隊員たち。 怒りと動揺で精彩を欠いたローズに、ネロの攻撃が容赦なく襲いかかる……。
いよいよ魔王軍との戦争が始まった。 ウサトは黒服たちの手により、続々と運ばれてくる要救護者の治療を行う中で、改めて戦場の厳しさを実感する。 戦況が進み、ローズとともに戦場の最前線に出ていくウサト。 鍛え上げた身体能力を駆使し、魔王軍の猛攻の中、次々と王国騎士たちを救っていく。 一方、勇者として前線で戦うスズネとカズキの前に、黒騎士と呼ばれる謎の魔族が現れる。
攻撃を”反転”させる黒騎士に対し、為す術もなく倒されてしまうスズネとカズキ。 黒騎士がトドメを刺そうというその時、間一髪で放ったウサトの拳が黒騎士の顔に炸裂する。 受けるはずのないダメージに感情的になる黒騎士。 その後もなぜか”反転”が発動しないウサトの攻撃により、黒騎士は次々とダメージを負っていく。それはウサトの"治癒魔法の間違った使い方"が影響していた。
次の戦いに備え、捕虜となった黒騎士を尋問することにしたリングル王国側に対し、黒騎士は尋問に応じる条件としてウサトと会わせることを要求する。 要求が通り、黒騎士が捕らえられた牢にやって来るウサト。 そこで誰も気づかなかった黒騎士のダメージに気づき、ウサトは敵である黒騎士に治癒魔法をかける。ウサトの治癒魔法で傷を癒された黒騎士は……。
スズネとカズキの危機を知らせてきたアマコから、今度は母親を救ってほしいと告げられたウサト。そこでアマコがはるばる獣人の国からリングル王国までやって来た理由を知ることになる。 アマコから獣人の国への同行を求められるも、ウサトは救命団員としての立場もあり、なかなか結論が出せずにいた。 考えた末、ウサトは獣人の国に行くためのある一手を思いつく……。