お盆も近づく夏の最中、墓参りに満月饅頭を持っていくという菊子(笛木優子)が満月堂にやってきた。応対した奈津(貫地谷しほり)は、体調が悪そうな彼女のことが気にかかる。そんな折、奈津は酒種の仕込みに初めて関わることになった。これは、饅頭の生地に混ぜ込むことで蒸し上げたときに香りを生む、まさに満月饅頭の命。酵母ともち米を混ぜて発酵させるのだがこれが非常にデリケートで、数時間毎に撹拌(かくはん)しなければならないのだ。
その作業中、梅吉(國村隼)、竹蔵(尾美としのり)、光子(風吹ジュン)は近隣住民との軍鶏(シャモ)鍋パーティーに呼ばれ、奈津がこの酒壷の撹拌作業を一任されることに。無事に数度目の撹拌を終え、軍鶏鍋パーティーに顔を出した帰り道、奈津は道端に落ちた菊子のスカーフを発見する。胸騒ぎを覚えた奈津は彼女を探すが、やっと見つけた菊子は思いつめた面持ち。奈津は命を絶とうとする彼女を引き止め、生きることの大切さを必死に説く。
その翌日、酒種をチェックした梅吉は「カビが生えて使えない」と奈津に非情の通告をする。菊子との一件で、撹拌のタイミングが遅れたためだった。責任を感じた奈津は・・・!?