江戸・徳川吉宗の治世。津門村(つとむら)で育った幸(永瀬ゆずな)は、父と兄を病で亡くし大坂天満の呉服商「五鈴屋(いすずや)」に奉公に上がる。番頭の治兵衛(舘ひろし)は夜になると丁稚たちに「商売往来」を教材に商いを教え込んでいた。好奇心の強い幸は聞き耳を立て、いつしか商いの虜となっていく。2年後、店主の4代目徳兵衛(渡辺大)が、大店の娘・菊栄(朝倉あき)を嫁に迎えるのだが、徳兵衛にはある問題が…。
長男・徳兵衛(渡辺大)と次男・惣次(加藤シゲアキ)は犬猿の仲。徳兵衛の放蕩が原因だ。三男・智蔵(松本怜生)も、商いに身が入らず惣次に追いだされてしまう。また、菊栄(朝倉あき)も離縁。徳兵衛は持参金35両を散財し五鈴屋廃業の危機に!呉服仲間から借金する算段をとりつけた富久(高島礼子)と治兵衛(舘ひろし)だが、徳兵衛に後添えを迎えることが条件となった。そのことで、幸(小芝風花)の運命が大きく動き出す…
突然後添え候補となった幸(小芝風花)。治兵衛(舘ひろし)から、「女衆で終わったらあかん。商いの才を生かさないかん」と説得されるが、どうすればこの話が流れるかと問い返す。数日後、治兵衛は、「幸をご寮さんとして迎え、幸が知りたいことがあれば商いのことも教えてやってほしい」と言い残し五鈴屋を去っていく。後日、天満組呉服仲間の会所に富久(高島礼子)とともに訪れた幸。いよいよ幸の後添え審査が始まる…。
徳兵衛(渡辺大)の後添えとなった幸(小芝風花)だが、妻と認められない日々。ある日、上客が注文した高価な明石縮が店から消える。犯人は徳兵衛。戻ってくる当てはない。惣次(加藤シゲアキ)は奇策を考え、幸に富久(高島礼子)の昔の着物を着せ、肝試しやと言って連れだす。向かった先は、「備前屋」。そこには徳兵衛がくすねたのと同じ反物が仕入れられていた。惣次の幸への肝試しはその明石縮を定価で手に入れることだった。
惣次(加藤シゲアキ)に大店・伏見屋へ婿入り話が来る。商いの腕を買ったのだ。五鈴屋を支えているのは惣次だ…富久(高島礼子)は困惑する。一方、徳兵衛(渡辺大)は、縁談話が面白くない。幸(小芝風花)にも毒づき、街に繰り出していく。翌朝、虫の息の徳兵衛が戸板に乗って帰ってくる。天神祭の日、4代目が亡くなり跡目が決まらない。そんなある日、惣次が5代目を継いでもいいと言い出す…思いもよらない条件とともに…。
見世先で五代目襲名のお披露目が行われた。何も知らずにやってきた智蔵(松本怜生)は、惣次(加藤シゲアキ)と並ぶ幸(小芝風花)の姿に衝撃を受ける。妻となった幸に向き合い、惣次は胸に秘めた決意を打ち明ける。「五鈴屋を日本一の呉服商にする。わては江戸に新店を出す。目安は五年」と…。半月後、惣次は奉公人たちを集め厳しいノルマを課した二つの改革案を申し渡す。そんな惣次の改革を助ける知恵を幸はひらめくのだった。
幸(小芝風花)が、富久(高島礼子)と奥にいると、惣次(加藤シゲアキ)が奉公人を叱責する声が聞こえくる。仕入れ先の開拓がうまくいっていないのだ。そんな時、幸は江州の糸の素晴らしさに気づき、絹が織れないか惣次に話してみる。それをヒントに、惣次は江州波村に新たな羽二重の産地を作る計画を立ち上げる。ある日、両替商山崎屋が潰れた。惣次が波村の支払いに使っていたのが、山崎屋の手形だったことを幸は覚えていた。
波村から来た仁左衛門(中原丈雄)は、惣次(加藤シゲアキ)の不実を許さず、「あんたは店主の器やない」と断じる。幸(小芝風花)や鉄助(八嶋智人)の説得もかなわず、羽二重を納める約束はなかったことに…。翌朝、惣次の姿が消えた。波村に詫びとして用意した銀三貫もなくなっている。富久(高島礼子)は、心労のあまり倒れ込んでしまう。そんな時、五鈴屋を出ていた智蔵(松本怜生)が惣次から預かった書面を届けに現れる。
延享三年(1746)正月、幸(小芝風花)と智蔵(松本怜生)は浜羽二重を初出荷、五百反が即完売。そこへ呉服仲間の月行事が飛び込んできて、浜羽二重に盗品疑惑があるという。会所に行くと、真澄屋(山西惇)が、「手代が五百反の羽二重を横流した」と訴えていた。浜羽二重と色も重さも違うが、真澄屋は五鈴屋の五百反こそが盗品の羽二重だと言い張る。そこで幸はある証拠の品を差し出し、伏見屋(田中健)がそれを識別すると…
浜羽二重の一件で遺恨のある真澄屋(山西惇)と五鈴屋が、桔梗屋買い上げを巡り争うことになるが、幸(小芝風花)たちが買い上げに成功する。受け渡し当日、桔梗屋番頭の周助(泉澤祐希)たちの表情が暗いことに気づく幸と智蔵(松本怜生)。すると、孫六(吉見一豊)から「桔梗屋の屋号も暖簾も、もう使てはあきまへん!」と言われ当惑するが、その前日、幸は治兵衛(舘ひろし)から買い上げに関するある知恵を授かっていた…。
身重の幸(小芝風花)は、大坂に来たばかりの妹の結(長澤樹)を気遣うがなかなかなじめない。そんな時、幸は売り上げを伸ばそうと、「帯」に着目する。大坂では帯のおしゃれがまだ広まっていなかったのだ。周助(泉澤祐希)が京に走り、新たに帯地を買い付け「帯の五鈴屋」を広めようとした最中、因縁のある真澄屋が大金をかけ宣伝展開、「帯の真澄屋」を定着させる。幸は、他にマネのできない工夫を考えだそうとするのだが…。
店主を失った悲しみに耐え、商いに淡々と打ち込む五鈴屋の人々。跡継ぎをどうするか…涙も見せずに商いに打ち込む幸(小芝風花)に結(長澤樹)は、「姉さんには心はないの?!」といらだつ。呉服仲間からも跡取りを早く決めるようにと催促される中、「七代目は、わてが継ぎとうおます」と幸は宣言する。店主にも家主にもなることを禁じている女名前禁止の大坂において、幸は次に続くかもしれぬ女たちのためにも立ち上がるのだが…
幸(小芝風花)は、鉄助(八嶋智人)とお竹(いしのようこ)を伴い浅草田原町に到着する。五鈴屋江戸店は間口二間半と小ぶりだが、智蔵(松本怜生)と夢見た望みに叶ういい店構えだった。出店準備を進める中、幸はお竹と柳原の古着商いを見に行く。江戸と大坂の商いの違いを目の当たりにしながら、幸は出店に向けいろんな知恵を思いつく。赤穂義士討ち入りの日、五鈴屋江戸店が開店。その盛況ぶりを遠巻きに見つめる男がいた…。
開店当初は賑わった江戸店だが、ひと月後には売上げが低迷。幸(小芝風花)は江戸での商いに悩み、歌舞伎役者・菊瀬栄次郎(風間杜夫)を訪ねる。栄次郎は、弟子の吉二(齋藤潤)に動きやすい木綿の稽古着を新調してみるかと難題を持ち掛ける。後日、幸はある工夫を施した稽古着を納め、栄次郎を唸らせる。すると、吉二の稽古着が役者仲間の間で評判を呼ぶ。そんな時、賢輔(佐久間悠)が街で惣次(加藤シゲアキ)を見かける。
幸(小芝風花)は鈴の小紋を作るため、賢輔(佐久間悠)を伊勢型紙の里・白子に行かせる。一方、鉄助(八嶋智人)は、天満の呉服仲間が女名前延長を勧めていると報告。それは惣次(加藤シゲアキ)が江戸にいるおかげだという。数か月後、型紙が届き、お才(菜葉菜)の亭主・力造(池田努)に型染めを依頼した幸だったがなぜか断られてしまう。そんな時、当代一の女形・歌舞伎役者の中村富五郎(片岡千之助)が五鈴屋にやってくる。
鈴小紋が評判となった五鈴屋だが、麻疹禍で客が途絶える。しかし、病魔払いの鉢巻き用に鈴小紋の切り売りを望む客に応じた五鈴屋は、麻疹禍後に大繁盛する。ある日、えびす講に誘われた幸(小芝風花)は結(長澤樹)を同行、本両替商の枡吾屋(髙嶋政伸)と遭遇する。その後、結に縁談話が…。そんな時、五鈴屋に多額の上納金を納めるよう通達が来る。幸は、相談に訪れた両替商で、行方不明だった惣次(加藤シゲアキ)と再会する。
宝暦4年(1754)11月。五鈴屋江戸店は江戸小紋が売れ繁盛している。そこへ、伊勢型紙彫師・梅松(高橋和也)がやってくる。小紋染めを江戸に根づかせたいと願う幸(小芝風花)は、男女どちらにも似合う新柄小紋を作りたいと考えていた。ある日、歌舞伎役者の栄次郎(風間杜夫)が店を訪ねてきた。手土産の暦から干支の文字を小紋にするヒントを得る。しかし、干支小紋の型紙ができた夜、結(長澤樹)が五鈴屋から消えた…。
結(長澤樹)の日本橋呉服枡呉屋開店が五鈴屋の干支小紋の売り出しと重なる。幸(小芝風花)の狙い通り干支小紋は男性客の心も掴む。ある日、矢野(遠山俊也)と名乗る侍が来店、縮緬の白生地を百反買い上げ大商いに沸き立った五鈴屋だが、呉服仲間の寄合いで、矢野が加賀前田家家臣で呉服仲間の遠州屋の顧客だとわかる。顧客の横取りは、御法度中の御法度。五鈴屋は仲間外れを言い渡され、江戸での呉服商いの道が断たれてしまう。
江戸での呉服商いの道が断たれた五鈴屋は太物専門店となった。幸(小芝風花)は、木綿の新しい商品開発に挑んでいく。賢輔(佐久間悠)、梅松(高橋和也)は新柄の考案に打ち込み、木綿への小紋染め技法に力造(池田努)も取り組む。そんな時、菊栄(朝倉あき)とお梅(内藤理沙)が鉄助(八嶋智人)と江戸にやってきた。皆で花火見物に出かけた時、賢輔がある図案を思いつく。その数日後、五鈴屋の運命を左右する男がやってくる。
花火の浴衣が大当たりした五鈴屋は店舗を広げ、その一角で菊栄(朝倉あき)も小間物を売りだす。菊栄は簪の開発も密かに進めていた。そんな時、梅松(高橋和也)とお梅(内藤理沙)が祝言を上げる。明けて宝暦十年辰の年、江戸は大火に見舞われる。五鈴屋は難を逃れたが、芝居町はみな燃え尽き、本両替町は激しい火に焼かれて、枡吾屋も燃え落ちたという。結(長澤樹)の安否がわからない幸(小芝風花)は激しい不安に襲われる…。
江戸の百二十町を焼き尽くした大火から三か月が過ぎ、町に再建の槌音が響く。だが貧しい者は取り残され、諸物価の高騰がそこに追い打ちをかける。そんなある日、幸(小芝風花)は火事で焼けた日本橋枡吾屋が、早くも新店舗を普請中で、今度は呉服だけではなく太物も商うという噂を耳にする。またしても、五鈴屋の前に立ちふさがる桝吾屋忠兵衛(髙嶋政伸)と結(長澤樹)。そんな時、江戸では木綿の白生地が品不足となるのだが…。
宝暦11年(1761)12月14日。五鈴屋は創業十年を迎えた。呉服仲間から外れ6年…、ある日、浅草太物仲間の寄合いに駒形町の呉服屋・丸屋(田中要次)が現れた。大火の後の理不尽な値上げを強いられ、呉服から太物商いへの転身を決意、浅草の仲間に加えて欲しいと頼ってきたのだ。河内屋(野添義弘)は、「丸屋さんには、呉服商いを続けていただきたい」と異を唱える。その後、幸(小芝風花)にも思いもよらない提案が…。
五鈴屋は、旗本の嫁荷の取り扱いで名を挙げ、武家の客が増えたが古い馴染み客の足が遠のくことになってしまう。一方、菊栄(朝倉あき)は、独立に向け店を探しながら新商品開発を進めていた。ある日、呉服町の好物件を紹介される菊栄だが、店舗が大きすぎて買い上げに悩んでいた。菊栄の悩みを聞いた幸(小芝風花)はある提案をする。また、そんな時、惣次(加藤シゲアキ)と枡呉屋夫婦が親しくしているところに幸が遭遇する…。
明和三年(1766年)四月。呉服町に五鈴屋呉服町店と御小間物所菊栄の二枚の暖簾が翻った。開店から一年半、どちらの店も繁盛店となっていた。その年の師走半ば、事件が突然やってくる。呉服町店には別の持ち主がいて、町名主が店を明け渡すように言ってきたのだ。幸(小芝風花)と菊栄(朝倉あき)の交わした沽券状は偽物で二人は不動産詐欺にあったのだ。そして名乗り出た正当な持ち主は、なんと惣次(加藤シゲアキ)だった。