戦国時代、岐阜城を拠点に天下統一をめざした織田信長。彼は戦いを進める一方、城内に「地上の楽園」と称される宮殿を建設、軍事施設である城に「魅せる」という独創性を加え、城下一帯を最高のおもてなし空間としてまとめあげる。自然景観を活かした城内外の眺望や長良川での鵜飼観覧による接待。冷徹なイメージを覆すような信長のおもてなしは、宣教師ルイス・フロイスら世界の賓客をも魅了した。信長が形作った城・町・川文化は城としての役割を終えた後も受け継がれ、現在の岐阜の町に息づいている。 信長のおもてなしが息づく岐阜のストーリーは2015年に日本遺産に認定されている。 旅するのはナタリーエモンズと信長の大ファンという弁護士の北村晴男。 岐阜城がそびえる金華山の麓で合流した2人は、おもてなしの舞台となった岐阜城天守閣をめざす。道中で見つけたのは狭間(さま)と呼ばれる穴が空いた壁。さまざまな形に空いた穴の意味を北村先生が解説、新しもの好きで戦術に長けた信長の話に。天守閣から見下ろす岐阜の景色に2人は感動。これこそ信長のおもてなしの最たるものではなかったか。続いて向かったのは川原町にある和菓子屋さん。宣教師・ルイス・フロイスから献上されたというカステラを食べた北村先生は信長気分に。再び川原町を歩くと美濃和紙を使った提灯があちらこちらに。信長も古くから作られていた上質な和紙で武将たちに手紙を書き、さまざまな交渉をしていたという。そんな美濃和紙の提灯に2人は絵付け体験をすることに。続いて訪れたのは夕暮れの長良川。川べりの桟敷では長良川の天然鮎と鮎ご飯でもてなされる。さらに、2人をもてなしに現れたのは芸妓さん。しとやかな舞を見物し、お座敷遊びで大盛り上がり。そして、待ちに待った鵜飼見物へ。かがり火に照らされた鵜と鵜匠の息のあった動きに感動する2人。最後はナタリーさんが「長良川艶歌」を歌う。岐阜のおもてなし文化を体感するじょんのび旅。