造林発祥の地である奈良県吉野では、約500年に渡り育まれた日本一の人工の森と人々が 守り続ける天然の森が、訪れる人々を迎えてくれる。森とともに生きていく中で作り上げ られた食や暮らしの文化は今に伝わる。そんな吉野は2016年に日本遺産に認定されてい る。 旅をするのは書道家の親子、金澤翔子さんと金澤泰子さん。ダウン症である翔子さんは、 5歳の頃から親子二人三脚で才能を磨き、今や日本を代表する書道家だ。 日本一の桜の名所である吉野を訪れた2人は、山一面が桜色に染まる美しい景色に感激。 金峯山寺の参道では桜味のソフトクリームや葛きりなどの名物を味わう。そして歴史ある 金峰山寺では巨大な秘仏、蔵王権現を間近で参拝し、その荘厳な姿に圧倒される。また、 神秘的な雰囲気の漂う造林では、樹齢260年の吉野杉に触れ、自然の力強さ、そしてそこ に暮らす人々の営みを肌で感じた。吉野の旅を締めくくるのは、翔子さんによる「桜」の 文字の揮毫。吉野の山で5感を通して得た想いを胸に、渾身の書を書き上げる。