日本有数の港町、函館。明治時代に鉄道が敷かれるまで、日本国内の物流は「北前船」と呼ばれる商船が担っていた。北前船の寄港地として函館は日本各地の文化が入り混じり、独自の文化が花開いた。そんな函館は2017年に日本遺産に認定されている。 今回の旅人はナタリー・エモンズとハコちゃんこと作家の岩下尚史。 最初に2人が訪れたのは、豊富な魚介類が並ぶ自由市場。場内の一画には、客の注文を受けてから、店主がその日一番の美味しい食材を買い出しに行き、提供する人気の店が。さっそく訪ねた2人は、選び抜かれた材料の三食丼とカニラーメンを味わう。かつて北前船が運んだ積荷の一部はアイヌの人々から提供されたものだった。2人は市内の資料館を訪ね、アイヌの人々も各地との交流を通じて暮らしを豊かにしていたことを知る。その後、この地ではじめてハムとソーセージをつくったカール・レイモンの店やオランダから伝わったオルゴールの店を訪ね、最後は外国人の保養地として賑わった七飯町の大沼へ。湖をクルーズしながらゆったりと食事ができるレストランで贅沢なひとときを過ごす。港町らしい開放的な街を行くじょんのび旅。