入社以来総務一筋の勤勉なサラリーマン青柳(井ノ原快彦)はある日突然、“リストラ待合室”と呼ばれる部署への左遷を告げられる。しかも与えられた社命は資金援助先のバレエ団を再生せよとの無理難題。さらに追い打ちをかけるように同じ日になぜか妻子も家を出ていきマイホームはもぬけの殻に。翌日、左遷先へ出勤した青柳は、そこで同じ社命を受けたもう一人のリストラ候補者・由衣(倉科カナ)と出会い無謀な挑戦が幕を開ける。
苦心の末、ようやく高野(宮尾俊太郎)の客演同意を取り付けた青柳(井ノ原快彦)と由衣(倉科カナ)。ところが、瑞穂(黒木瞳)の頑なな反対で、客演は白紙撤回されてしまい、高野の信頼も失ってしまう。青柳たちは社長(岩松了)や上司の脇坂(西村まさ彦)から激怒され窮地に追い込まれる。なすすべなく落ち込みながらも奮起してバレエへの理解を深めようと努める青柳だったが、偶然、ある物を見つけて高野のもとへ走る。
青柳(井ノ原快彦)と由衣(倉科カナ)の努力で瑞穂(黒木瞳)は高野(宮尾俊太郎)の客演を容認。ところがその矢先、高野は売名をねらった美人局の仕業でダンサーの生命線でもある腰を痛めてしまう。敷島バレエ団での出演を断念し、本拠地ロンドンへ帰ろうとする高野を必死で引き留める青柳。由衣も高野を部屋風呂付きの高級温泉旅館に滞在させかいがいしく世話をする。しかし、なかなか腰は軽快せず王子役続行に赤信号が灯る。
脇坂(西村まさ彦)は高野(宮尾俊太郎)の悪魔役案に激怒。青柳(井ノ原快彦)と由衣(倉科カナ)を恫喝する。そして、高野が演じる予定だった王子の代役に推挙した有名外国人ダンサーも却下。青柳は咄嗟に、娘が追っかけをしているアイドルダンサー・那由多(古川雄大)の名を出す。すると、脇坂の態度が豹変。その足で青柳と由衣は那由多の所属する芸能事務所に直行し、とんとん拍子で出演交渉がまとまったのだが…
青柳(井ノ原快彦)は那由多(古川雄大)を王子役として認めるよう高野(宮尾俊太郎)に懇願するが、高野は頑として首を縦に振らない。さらに、瑞穂(黒木瞳)が那由多の潜在力に興味を持ったことを知った高野はすねて姿をくらましてしまう。由衣(倉科カナ)は必死で高野を探し出し、捨て身の説得に乗り出すが、そこで由衣は高野の知られざる一面を垣間見て動揺する。
自分たちの公演日程に、ロシアの有名バレエ団が来日公演をかぶせて来た事に動揺を隠しきれない敷島の面々。青柳(井ノ原快彦)と由衣(倉科カナ)は危機打開に奔走、宣伝費もままならないなか、青柳はある案を思いつく。しかし、高野(宮尾俊太郎)はその案に猛反発。紗良(小林美奈)もそっぽを向く。そして、団員の結束が進まないのは自分に責任があると考えた那由多(古川雄大)も、レッスンに顔を出さなくなる。
脇坂(西村まさ彦)に功績が認められ自らの懐刀として幹部への抜擢を打診された青柳(井ノ原快彦)。しかし、栄転との引き換えにバレエ団からの即時離脱を命じられる。公演を間近に控え、俄然、団結力を深めていく高野(宮尾俊太郎)や那由多(古川雄大)や団員たち。青柳は、脇坂からの辞令を団員たちに伝えられず焦りばかりが募る。しかし、由衣(倉科カナ)だけは青柳の異変とその原因に気付き、青柳を問い詰める。
青柳(井ノ原快彦)と由衣(倉科カナ)の献身的な尽力が実を結び、奇跡のチケット完売で公演初日を迎えた新解釈『白鳥の湖』。満員の観衆を前に、高野(宮尾俊太郎)は難易度の高い舞いを次々と成功させて会場を魅了していく。そして、那由多(古川雄大)や美波(織田梨沙)や紗良(小林美奈)もそれに続けとばかり舞台へ繰り出す。しかし、中盤にさしかかると、舞台上では予期せぬ危機が続発。上演の続行に暗雲が垂れ込める。