江戸の町に原因不明の奇病がはやり、養生所は患者の治療に大わらわ。薬の不足を案じた忠相と伊織は公儀御用の人参供出を幕府の奥医師に申し入れるが、にべもなく断られる。そうしたある日、一人の男が斬殺される。事件の裏には、薬種問屋と結託し公儀の薬草類を不当に横流しして私服を肥やす奥医師達の黒い企みがあつた。