忠相、雪絵夫婦の嫡子忠宣も既に六歳、公私共に順風満帆のある日、突然江戸市内に連続して怪火事件が起こる。事件の裏には何と将軍吉宗失脚の企てがひそんでいた。手段を選ばぬ兇悪な一味は遂に忠宣を人質に奪う。一方、長崎から江戸に向つていた榊原伊織、千春夫婦は偶然一味の陰謀を知つて、急ぎ駈けつけるのであつた。