1995年-高校生の浩史(青木柚)は、ある日、学校で1番かわいい女の子・山村さん(玉城ティナ)から、こっそり屋上に呼び出された。もしかして…という期待が心の中でちらつきながらも、緊張の面持ちで向かうと、そこには彼女が一人で待ち構えていた。浩史を見るやいなや、彼女は「君の顔のダニを殺してあげるね」と衝撃の一言を発する…。そして、この日を境に、山村さんと浩史の奇妙な日課が始まった─。 2005年-大人になった浩史(賀来賢人)は、深夜に音楽系のチャットルームに入室するのが日々の楽しみとなっていた。目的は、“アスカ”(山本舞香)とのネット上での会話。アスカとは自然と波長が合い、彼女がオススメする曲は全てダウンロードするほど、彼女から影響を受けるようになっていた。話の流れから、直接会うことになった2人。このアスカとの出会いが、浩史の運命を大きく左右することとなる─。
漫画喫茶でバイトをしていると嘘をつき、変態に唾を売る仕事を続けているアスカ(山本舞香)。どうにかアスカを唾業界から抜け出させようと、浩史(賀来賢人)は安月給のバイトを辞め、ライター見習いとして編集社へ転職することに。仕事にも慣れ、同棲生活も落ち着いてきたある日、ご飯に手を付けないアスカが、元気のない様子で「仕事を休む」と言い出す。心配した浩史がアスカを連れて病院へいくと、「鬱・不安障害・不眠障害」という精神病だと告げられる。診断を聞いて落ち込むアスカに、浩史は、これまで隠し続けていたある事実を打ち明け始めた―。編集社へ転職して2年が経った頃、社長から突然、編集長になるよう辞令をうけた浩史。戸惑いながらも新しい編集部へ向かうと…そこは、部下が全員ラッパーという個性派揃いの部署だった。一方、家では、アスカが薬漬けの日々から抜け出すために、断薬をすると言い出し、薬を減らし始めたのだが…。
浩史(青木柚)が初恋をしたのは、中学3年生の時。初恋相手・吉野さん(中村里帆)とは学校で毎日のようにゲームボーイで対戦していた。勝つと小さく万歳をし、負けると唇を噛む可愛らしい姿に心を奪われていた浩史。そんな吉野さんを久しぶりに見かけたのは、彼女が駅の駐輪場で、浩史の自転車を盗もうとしている時だった―。編集長になった浩史(賀来賢人)の風俗通いは続いていた。深夜にアスカ(山本舞香)から浮気相手に送るはずのメールが間違って浩史に届き、おあいこだと割り切るため風俗に頼る生活。そんな中、編集部では、部下の岡田(小西桜子)から浩史への“猛アタック”が日々続いていた。これまでずっと、アスカのために懸命に尽くし、アスカを許容してきた浩史だったが、その気持ちに変化が訪れる―。
2011年。アスカ(山本舞香)は体調の良い日が増え、作曲活動に熱中する一方、浮気も変わらず続いていた。アスカとの生活がマンネリ化してきているなと感じ始めていた浩史(賀来賢人)に、ラッパーの部下がペットを飼うように勧める。浩史は小学生の時に「乱歩」と名付けたあさりを飼っていたことを思い出し、再びあさりを飼い始めることに。浩史があさりに夢中になっている最中、アスカは営業の押しに負けて新聞を契約してしまったと打ち明ける。ある朝、浩史は出来心から、新聞が投函される瞬間に新聞を引き抜くイタズラを仕掛ける。突然のことに驚く配達員・紺野さん(堀田真由)に必死に謝る浩史だったが、このイタズラをきっかけに、浩史の密かなる“早朝1分間の恋”が始まった―。