姑・志乃(泉ピン子)に、完膚なきまでに叩きのめされた知子(瀬戸朝香)は実家の母・波江(茅島成美)を訪ね「実家に帰っていい?」とすがるが、けんもほろろに追い返される。自分を無くしたかのように街を歩く知子は、とある画廊に入り絵を眺めていると、偶然にも同級生の崎田時枝(三浦理恵子)に会う。聞けば、時枝が秘書を勤める社長・殿村洋平(大杉漣)が、趣味的にバックアップしている画家たちの展覧会を開くための準備に来ていたのだという。時枝と2人で食事をして帰ればと殿村は店を紹介するが、「子供が待っているから」と知子は足早にその場を去った。知子の心の中には、華やかに働く時枝の姿と対照的な惨めな自分の姿が映っていたのだ。
メンズクラブで働きだした知子(瀬戸朝香)。オーナーの殿村(大杉 漣)には、“自由になる時間だけいてくれればいい”と言われてはいるものの、今の知子にはクラブにいる時だけが、わずらわしさから開放される唯一の時間となっていた。 しかし、連日12時過ぎに帰宅する知子は、朝起きるのが次第に辛くなり、夫・要(大倉孝二)からも、朝の仕度は姑の志乃(泉ピン子)に任せろといわてしまう。知子は志乃だけには小言をもらいたくないと、夕飯の買い物などは済ませるが、「信用がないのね、これじゃあまるでお手伝いさん扱いじゃないの」と迫られ、今までよりも多くの家計費を渡すはめに!さらに、夫より遅い帰宅を責められ、「要が寝不足になったらどうするの」と、志乃の部屋で寝るように釘を刺されてしまう。
知子(瀬戸朝香)の帰りを待っている夫・要(大倉孝二)と姑・志乃(泉ピン子)。知子の仕事内容を詳しく知らない志乃は、要に「一週間やそこらの働きで、今朝、10万も私に預けてよこしたのよ」と不安をあおるような進言をする。要は「貯金をおろしたんだろ」とかわすが、確かに電気代や電話代にも窮していた知子が現金を持っていたのは理解できなかった。 降りしきる雨の中、知子が帰宅した。要にはネクタイ、子供たちには洋服を買い込んで来たという。「どうしたんだ、お金は」と、働き出してから金回りが急に良くなった知子を要が責める。一番の原因は、社長の殿村(大杉 漣)に車で送ってもらっていた知子を目撃し、嫉妬心から来る怒りだった!結局、その夜、知子と要は大喧嘩をしてしまう。
要(大倉孝二)は、川野(山下真二)と進めていた仕事の契約を殿村(大杉漣)が壊した本当の理由を知ろうとする。そのために殿村の秘書・崎田時枝(三浦理恵子)を呼び出したのだが、お酒のせいもあり、勢いから一夜を共にしてしまう。家では知子(瀬戸朝香)と志乃(泉ピン子)が、帰宅しない要を心配していた。「前にもこんなことがあったの?」という志乃に、知子はただただ首を横に振るだけだった。 翌朝、知子は要の会社に電話をするが、会話する前に電話を切られてしまう。志乃は「美人じゃなくてもいいから、もっと優しい人と要は結婚すればよかったのよ。要がかわいそう」と泣き崩れるが、知子はどうすることも出来ずに仕事へと向かった。