高校時代、宇海零(加藤シゲアキ)に何もかも負け続けたという苦い過去を抱える山口カズヤ(増田貴久)は、今やIT企業の天才エンジニアとして注目を浴びていた。 新しい部署のリーダーにも抜擢され、思いを寄せる上司の宮本亜里沙(貫地谷しほり)から二人きりで祝ってもらう。 しかし、ある日アメリカからヘッドハンティングされてきた向井シオン(渡辺大)が入社。仲間の能力を認めないカズヤとは対照的に、シオンはリーダー就任をかけた全員参加の社内コンペを企画して職場を活気づける。 負けられないと焦るカズヤは、コンペに向け連日徹夜で頑張るが、次第に行き詰まっていく。「俺は必死でやってきた。アイツに勝つために」 追い詰められたカズヤの脳裏に再び零との記憶が蘇り…。
城山小太郎(手越祐也)は、友達をレンタルする会社を経営していた。 仲間のホッシ―(皆川猿時)、ケイスケ(松島聡)、アイ(松本まりか)には尊敬され、全ては好調のはずだったが…。ある時、客の肇(札内幸太)から苦情がくる。 小太郎達との写真をSNSにあげたところ醜いコメントが寄せられたという。 「こいつめっちゃ嫌われてた」「俺もいじめてやったわ」 それは全て小太郎に対してのものだった。彼に高校時代、いじめ抜かれ友達のいない過去があったのだ。恥をかいたから謝れという肇を、思わず仲間の前で殴り倒す小太郎。 それは仲間の信頼が崩れた瞬間だった。「うまくコントロールできてたはずなのに」ようやく作り上げたものが壊れていく…。離れていった仲間に復讐するために、小太郎は、ある行動に出る。 それは仲間の3人を客としてレンタルし、とあるゲーム番組に連れていくことだった―。
4年前、写真家を目指しながらペンションを営むミツル(小山慶一郎)の元に大学院生のゼロ(加藤シゲアキ)が毎年夏恒例の星の観察のためにやってきた。 その夏、ゼロが立会人となりミツルは恵(入山法子)にプロポーズ。幸せそうな恵を何枚もカメラにおさめた。 後日その時の一枚が、コンクールで大賞をとり舞い上がるミツル。大自然に暮らす天才として写真集発売の話も進んでいく。 ミツルは東京で活動するためペンションを売ったとゼロに宣言。 しかしゼロの胸中は複雑で…。 あのプロポーズの日、指輪を忘れて取りに戻ったミツルはゼロにカメラを預けた。実は受賞したのは、その間、ゼロが何気なく恵を撮った一枚だったのだ。 才能を疑いだした編集者の佐伯(佐戸井けん太)にその事を指摘されたミツルは衝撃を受ける。そして写真の中のある異変に気付いてしまい…。
壮絶な戦いを繰り広げたドリームキングダムでミツル(小山慶一郎)とゼロ(加藤シゲアキ)が和解を果たしてから一か月後―。 ミツルはゼロに教えられたとある場所へ向かう。そこは恵(入山法子)が現在働いている写真館だった。外から様子を伺う車椅子のミツルに気づいた恵は、まるで初対面のように話しかけてきた。戸惑うミツルの脳裏にゼロの言葉が蘇る。 「彼女…4年前から記憶喪失なんだ」 翌日も再びやって来たミツルは、写真館の遠坂(上遠野太洸)に客と間違われ、思わずここで働きたいと口走ってしまう。こうして偽名をかたったカメラマンのミツルと記憶を失くした恵との日々が再び始まる。カメラを向けた相手を必ず笑顔にしてしまうミツルのカメラマンぶりに、心を開いていく恵。「私も撮ってもらおうかな」 しかし4年前の出来事が彼女の口から語られた時、その平穏な日々は終わりを告げて―。