太平洋戦争が終わった翌年、てるてる坊主を傘から下げて大阪の闇市場を歩く岩田照子(浅野ゆう子)。その凛(りん)と美しい姿は、戦争ですさんだ人々の気持ちを明るくしてしまうほどだった。照子は終戦まぎわに結婚した夫・春男(岸谷五朗)と池田市栄町商店街にある木造二階建ての家に姑(しゅうとめ)・鍼灸(しんきゅう)師のヨネ(藤村志保)と暮らしている。銀行に復職した春男はスリにあうなどして、仕事に自信を失っている