天正6年(1578)3月、関東出陣を目前に控えた時、突然上杉謙信(阿部寛)が病に倒れる。動揺する家臣たちを景虎(玉山鉄二)は「動じるな」と一喝して鎮める。景虎の器量を認める家臣たちの間で、景虎こそ跡継ぎにふさわしいとの声が高まるが、景虎は「今は御屋形様の回復を願うのみ」といさめる。 兼続(妻夫木聡)は謙信の看病を申し出る。しかし、必死の看病にも関わらず容態は回復せず、ついに謙信は、兼続に「そなたの義」とひと言だけ残して息を引き取る。謙信は遺言を残さなかったため、上杉家は家督を巡って景勝(北村一輝)派と景虎派に分かれ大混乱に陥る。 それを見かねた妙椿尼(みょうちんに・萬田久子)は、謙信が「家督は景勝に」と遺言を残した、と嘘をつく。真実を知る仙桃院(高島礼子)は妙椿尼を責めるが、上杉の混乱を鎮めるため、この嘘を真実として生きていくことを決意。仙桃院は兼続にも遺言が嘘であることを知らせる。動揺する兼続だったが、「すべての泥は私がかぶる」という仙桃院の決意の前に、これを受け入れる。そして、お船(常盤貴子)にその覚悟を毅然(きぜん)と言い放つ。 景勝は喪主を務めることになり、兼続や上田衆も葬儀の準備に追われる。そんなとき、遺言を不審に思った景虎派の柿崎晴家(角田信朗)が景勝に夜討ちを仕掛けてくる。