天正元年(1573年)4月、上杉軍の軍議で熱い議論がかわされていた。兼続(妻夫木聡)は、景勝(北村一輝)の考えとして、武田軍の様子がおかしいので、京に兵を進めるべきと進言するが、謙信のもう一人の養子・景虎(玉山鉄二)は混乱する越後国内を鎮めるべきと主張、謙信(阿部寛)は景虎の意見を支持する。 景勝と景虎は何かにつけて比べられるライバルであった。軍議の帰り道、兼続は、ある騒動に巻き込まれる。そこで上杉家の家老・直江景綱(宍戸錠)の娘・お船(常盤貴子)に出会いきまずい思いをする。 そして翌日、兼続は出陣を祝う宴の席で再びお船と会う。宴の余興で優美な景虎の能の舞が披露され、景勝の順番となるが、無骨な景勝は踊ろうとしない。場がしらけそうになる。その時、兼続が景勝に代わって、上田に伝わる陽気な踊りを披露、場は和やかさを取り戻す。 数日後、兼続は、景勝の妹の華姫(相武紗季)から、景勝がお船に好意を持っていると知らされる。兼続は、名誉挽回と景勝のため偽の手紙をお船に送る。気まずさを引きずったまま景勝は出陣の日を迎える。