「やらなきゃ、そうしなきゃ帰れないんだ!」 暗いコクーンの中、少年の息づかいだけが聞こえる。 少年は謎の仮面機師に言われるまま人型兵器『聖機人』を駆ってシトレイユからの船を襲撃する。 これを迎え撃つのはシトレイユ皇国の若き皇ラシャラ・アース二十八世とその護衛聖機師キャイア・フラン。 見慣れぬ聖機人の前に苦戦を強いられるキャイア。 しかしそこに援軍が・・・
「あ奴は我の従者として、聖地へ連れて行く」 ラシャラ皇の乗るスワンの眼前に女神を模したと言われる、白銀に輝く巨大な聖地の門が見えて来る。 そこは大陸中から聖機師や王侯貴族の子弟が学ぶ巨大な学園であった。
「寮で働く?」 聖地に広がる広大な森林で狩りをする剣士に、ラシャラ皇は聖地で働くように命じる。それは剣士を自分の従者として、教会や聖機師、王侯貴族達、特権階級へ認識させるためであった。
「スワンが穴だらけじゃと?」 それはスワンに埋まる水晶を掘り出していた剣士の仕業であった。問い詰めるキャイアは、剣士の大事なペンダントの鎖を壊してしまう。懲りずにまた水晶をワウの工房近くで探そうとする剣士。ところが工房の中から黒装束の人物が現われ剣士に襲いかかってきた。取り押さえようとする剣士だったが逃がしてしまい後を追いかけると、そこにメザイアが現われて・・
「本件は全員一致で可決いたしました」 ラシャラの提案により、剣士は皇族、大貴族のみで構成された生徒会の会員に任命される。 そこには雑用係という名目の裏に、ある思惑が潜んでいた。 剣士が生徒会に入会したという話が女性聖機師たちの間に拡がると剣士は生徒会役員と繋がりたい彼女たちに追い回され始める。その機に乗じて剣士を自分たちのモノにしようとマリアもユキネにけしかけて…
「もちろんそれにかかる費用は、こちらが全て持ちますよ」 マリアの母、女王フローラの招待を受け、ラシャラ達はハヴォニワの高級保養地へ向かう。旅の途中、剣士は友人のセレスと出会うが、彼の旅には、ある秘密が隠されていた。
夏休み明けの倦怠を払拭するために、ダグマイアの提案した競武大会の開催が決定した。 予選から盛り上がりを見せる大会であったが、そこには思いもかけない目的が隠されていた。
「行こう。我らが勝利者となる朝だ」 ダグマイア率いる男性聖機師と山賊は、生徒達の寝静まる深夜、聖地の重要施設を占拠する。目を覚ました生徒達が見た物は無防備となった聖地に侵攻して来る。シトレイユ旗艦バベルであった。聖地内を制圧していく山賊の聖機人。生徒たちを避難させるため聖機人で対抗しようとコクーンを出した生徒会長のリチアだったが危うく襲われそうに…。間一髪、ワウの新型機工人でリチアを救った剣士。アウラに機工人を任せ、剣士はコクーン目指して走り出した…
「表情が優れんようだが、疲れたか?」 ババルンによって占拠された聖地から、多くの生徒達と共に避難をするスワン。重苦しい空気を明るくしているのは剣士の存在だった。だが冷たく光る剣を持ち剣士に近付く影があった。
「何だ、あの黒い奴は!?」 突如、シュリフォンを襲撃するダグマイア率いるババルン軍。その中にガイアの盾を持つ黒い聖機人がいた。シュリフォンの首都を壊滅させたダグマイアと黒い聖機人はさらに……。
「どうしてセレス・タイトが……」 全ての謎を知るキャイアの父、ナウアのいる結界工房へ向かう途中、ババルン軍に追撃されているセレスと思いがけない再会を果たす剣士。しかしそれはダグマイアの作戦だった。セレスは思いもしない行動に出る。
「こ、これは……壮観じゃの」 黒い聖機人の持つガイアの盾に対抗する武器を手に入れるため、剣士達はユキネの故郷の村へと向かう。そこにあったのは『天地』と呼ばれている巨大な岩の柱であった。
「こちらバベル頂上観測班! スワン発見しました!」 ついにスワン、シュリフォン、ハヴォニワ連合軍とババルンの最終決戦が始まる。聖地へ奇襲をかける剣士達の前に現れたのは、凄まじい爆発を起こす聖機神の動力炉を持ったダグマイアの聖機人だった。ダグマイアは剣士に聖機師として1対1の決闘を申し込んできたのだ。聖機神が復活してしまう前に何とか聖地を奪回したいアウラたちは剣士を先に行かせようとしたが、ダグマイアの決意に思うところがある剣士はこの決闘を受ける。