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月のウサギ

順調に月へと向かう日々人たち。 六太はその様子を管制室の外で見ながら、一人考えていた。 『自分は日々人の月面着陸を、どんな顔でみるのだろうか――』 兄とは常に弟の先を行かねばならない、六太はずっとそう思ってきた。 しかし弟の日々人は、兄の六太よりも先に夢を叶え、月へ向かっている。 日々人が夢を叶える瞬間に、自分はうれしくて笑ってしまうのか、それとも感極まって泣いてしまうのか、どっちなんだろう――と。 2026年3月8日――日々人が月面着陸する日の朝。 南波父と母の寝室では、午前4時にセットされた目覚まし時計が、けたたましく鳴り響いていた。 だが、この時間に目覚まし時計が鳴ったのは、南波家だけではなかった。 日本中の人々が、日々人の月面着陸する瞬間を生放送で見るため、一斉に起きだしたのである。 そんなことも知らず、日本の期待を一身に背負った当の日々人は、いつも通り飄々とした様子。 司令船オリオンで月に近づき、離陸着陸専用の宇宙船アルタイルへと移動していた。 アルタイルでの着陸作業は、日々人の手動作業によって行われる。 世界中の人々が見守る中、日々人はその作業を見事に遂行。 大歓声があがったその瞬間、六太は喜びのガッツポーズをして、泣きながら笑っていた。 月面着陸後、船長のフレディ、ダミアン、バディ、カレン、リンダ、日々人のCES―51クルーは、月面基地に移動するためのビートル1号に乗り移ろうとしていた。 日々人は宇宙服を着こみ、月へ降り立つ直前、六太から送られてきた映像を思い出す。 その内容は、『吾妻は日々人を妬んでお

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  • Originally Aired November 18, 2012
  • Runtime 25 minutes
  • Content Rating United States of America TV-14
  • Network YTV (JP)
  • Created October 1, 2013 by
    Administrator admin
  • Modified October 1, 2013 by
    Administrator admin