数多くのヒット記録とロックにおけるさまざまな新しい試みで20世紀ポピュラー音楽の歴史を変えたビートルズ。
「サムシング」は、彼らが解散の約半年前にリリースした『アビイ・ロード』(1969)に収められた曲。
それまでジョン・レノンとポール・マッカートニーという2大ソングライターのもとで曲づくりの腕を磨いてきたジョージ・ハリスンがその才能を花開かせ、彼の曲として初めてシングルのA面(「カム・トゥゲザー」とともに両A面)を飾った曲でもある。
ジョンとリンゴ・スターはこの曲を『アビイ・ロード』中のベストソングと言い、ポールもジョージの最高傑作と評している。
ビートルズの曲では「イエスタデイ」に次いでカヴァーが多く、フランク・シナトラはこの曲を「20世紀最高のラヴソング」と呼んだ。
この曲は68年にリリースされた『ホワイト・アルバム』のセッション時に書かれ、当時ジョージ・マーティンの代理でビートルズのプロデューサーを務めていたクリス・トーマスの前で初めて演奏された。
また、この曲は当時のジョージの妻・パティ・ボイドのために書かれた曲とされている。
本人以外が初めて聴いた「サムシング」はどのようなものだったか、そして、ジョージは何を思い、この曲を書いたのか…
番組では、「サムシング」にゆかりある人々を訪ね、名曲誕生の経緯を探っていく。