1960年代の後半、カウンター・カルチャーの隆盛とともに、ロックは踊るための音楽からよりアーティスティックなものへと変貌していった。
クリーム、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス、ピンク・フロイド、レッド・ツェッペリンなどのバンドがロックの可能性を広げ、ロックはより多様で複雑な音楽になっていく。
そんな中からプログレッシヴ・ロックも生まれた。
ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、イエス…。
中でもエマーソン・レイク&パーマー(ELP)は真にプログレッシヴなサウンドと驚異的なテクニックでデビュー当初から大きな話題となり、母国イギリスだけでなく、アメリカでも大成功。
時代を象徴するバンドのひとつとなった。
「タルカス」は、そんな彼らが放った2枚目のアルバムのタイトル・ナンバー。
7つの楽章で構成された20分を超える壮大な組曲だ。
キース・エマーソンによる怒涛のキーボード・サウンド、キースとカール・パーマーが繰り出す変拍子、そして、グレッグ・レイクの叙情的なメロディ。
3人の類稀な個性がスリリングに重なり合い、彼らの代表曲となっている。
残念ながら、メンバーのうち、キース・エマーソンとグレッグ・レイクはともに2016年に他界。
番組では最後の1人となってしまったカール・パーマーに当時の話を聞いた。
また、キースと並ぶプログレ界の人気キーボード奏者で、キースと親しかったリック・ウェイクマン、キースのかつてのバンド仲間リー・ジャクソンら、ゆかりの人々を訪ね、ELPサウンドと「タルカス」がどのように生まれていったのかを探っていく。