ソフト・ソウルの女王ロバータ・フラックの1973年の全米No.1ヒット「やさしく歌って」。世界中のアーティストがとりあげるスタンダードナンバーであり1996年にはローリン・ヒル在籍のフージーズもカバーしている。日本ではインスタントコーヒーのCMでも親しまれたこの名曲は、実はフラックのオリジナルではなかった。72年に西海岸のシンガーソングライターが出した原曲を飛行機の中でたまたま耳にしたフラックが自分なりにアレンジしてカバーしたものが、彼女最大のヒット曲となった。番組では、ロバータ・フラック本人へのインタビューに加え、幻のオリジナル・アーティスト、ロリ・リーバーマンも出演。この曲の知られざる誕生秘話から、シンプルなフォークソングであった原曲とメロウなフラックのバージョンとの違い等に迫る。他にも、この曲のレコーディングに参加した世界最高峰ベーシスト、ロン・カーターや、フラックの多くのアルバムに参加したグラディ・テイトなどニューヨークの一流ジャズマンにも取材。ソウルとジャズが融合した独自の世界を持つロバータ・フラックの魅力を探る。