球界を代表するエースを数々育てて来た佐藤。佐藤が選手に指導する時に心がけている流儀、それは選手の「もっともいいときの投球フォームを隅々まで頭に焼き付けること」だ。佐藤は全神経を集中させ投手の投球フォームを観察し、記憶する。佐藤が特に注意してみるのは選手がもっともいい球を投げたときのフォームだ。腕や腰、足など全身の部位がどのように動き、関係し合っているかをチームの投手すべてで記憶している。それがフォームの修正箇所を瞬時に導きだすことができる秘密だ。 佐藤はひとつの型にはまった投球フォームを選手に押しつけることはしない。選手自身のフォームの個性を把握し、そのいいところを伸ばす。 この独自の指導法があるからこそ、選手達は佐藤を信頼し、納得して練習をすることができるのだ。