「初恋だから、八重は」——その言葉がウソではないと知った八重(長濱ねる)は、それまでただの幼なじみだった匠(菊池風磨)を妙に意識してしまい、ささいなしぐさにもドキドキするように。しかし、その胸の高鳴りの正体には気付かないフリをして、これはウソ婚だと自分に言い聞かせる。 一方の匠は、グランピングで八重がクリスマスイブの約束を受け入れてくれたことを思い返していた。それはすなわち、ウソ婚の契約が終わっても八重と一緒にいられるということ。匠は喜びをかみしめながら、今手掛けている結婚式場で八重と式を挙げる日に思いをはせるが、一方で、肝心の八重がいまだに自分を“雇用主”として見ている気配を感じていて…。 そんななか、2人は夫婦として二木谷(鶴見辰吾)から食事に誘われる。匠が設計したその店で、トークショーさながらに愛妻との思い出を語りつくす二木谷。その姿を見た八重は、二木谷が仕事相手に妻帯者を選ぶ気持ちが分かった気がすると話し、匠をハッとさせる。すると会食後、店の外で二木谷とともに八重を待っていた匠に、ある人物が声をかける。それは、10年前に八重を匠に託してシンガポールに旅立った健斗(黒羽麻璃央)だった。匠が驚きのあまり言葉を失っていると、そこへ八重が戻ってきて、大切な幼なじみ2人が結婚したことを知った健斗は…。