いつもは元気なまりやが、珍しく風邪を引いた。瑞穂は彼女を心配し、下校時に一緒に帰ろうと誘うが、まりやは彼を避けるようにその場を離れてしまう。 自分の気持ちに気づいたまりやは、男として瑞穂を意識するあまりに彼を完全に拒絶するようになってしまっていた。 そんなまりやの意図がわからず瑞穂は、釈然としないまま、ひとまず、借りた本を返すために図書室へ向かうことにした。 図書室では、掲示板の前で貴子と君枝が何かのポスターを貼っていた。その内容は、一年を締めくくる最後のイベントとして毎年行なわれる、生徒会主催のダンスパーティーの告知だった。瑞穂に挨拶された貴子は、彼にそのダンスパーティーにおける男性パートの役割を依頼。パーティーに一人で参加した生徒たちをエスコートするため、エルダーは毎年男性パートを務めるのだという。それを聞いた瑞穂は、恥ずかしい気持ちがあったもののエルダーとして誇りを持って引き受けることに。 その一方で、まりやはついに風邪をこじらせ、学院を休むようになった。そこで瑞穂は、彼女の部屋へ見舞いに行くと同時に、「もっと自分を大切に」とまりやを諭す。幼い頃から、風邪や怪我のときに強がっていたまりやを、瑞穂はずっと心配していたのだ。そんな気遣いを受けて、まりやはある考えのもと、なんと彼をデートに誘う。 そしてデート当日、初めはぎこちなかった瑞穂とまりやだが、次第に打ち解けるようになった。学院祭から今まで、2人の間に存在した不自然な距離から、いつもの距離に戻った瞬間。一人でずっと迷い、落ち込んでいたまりやの心も晴