奇跡を見たければ、その店に行け―― こんな諺があるが、閉店後のある夜の「ベル・エキプ」には、不思議なムードが漂っていた。
梶原(小野武彦)は久々に客が残した高級ワインにありつけ、毎日皿を割る佐々木(杉本隆吾)は、この日は一枚も割っていない。髪が気になりだした範朝(西村雅彦)にとっても、とかしたブラシに一本も抜け毛がついておらず、小さな希望がわいてきた。千石(松本幸四郎)にしても、最後に見回った店内でコインを拾い、弾き飛ばして手を開くと念じた通りの結果。「当たった」と微笑みをもらしたのだ。
そんな何かが起きそうなムードの中、しずか(山口智子)と千石が店の名物となる新メニューを考え始めた。一方、政子(鈴木京香)は範朝への不信から「店を辞める」と言い出す。取りなす禄郎(筒井道隆)だが、政子と範朝の関係を初めて知らされガックリ。
新メニューに対して理想を求める千石。早く切り上げたいしずか。
どんな奇跡が起きて、どんな新メニューが誕生するか・・・。