天堂昴(永瀬廉)は総資産3000億円といわれる巨大アパレルメーカー『服天』の御曹司。早くに両親を亡くし、祖父で会長の天堂亘(鹿賀丈史)に甘やかされて育った。生粋のお坊ちゃまでルックスも抜群だが、反面、性格は欠陥だらけで超がつくうぬぼれ屋。そんな昴の唯一の理解者で親友の草壁友也(西畑大吾)とは、亘の多額の出資のもと、これまでに2度起業するが、いずれも失敗。事業計画も経営戦略もままならないまま、周囲から“お遊び”と揶揄された3社目も潰すと、亘からもついに引導を渡され、『服天』にコネ入社して社会人一年目からやり直すよう命じられる。 出社初日、いつも通りハイブランドの私服に身を包んだ昴は、セレブ気分が抜けないまま新入社員研修会に参加。社員の視線を一身に集め、女性たちが色めき立つのは自分の美しい容姿のせいだと早くも自意識過剰が止まらない昴だったが、そこへ、教育係の花倉まどか(山下美月)が近づいてきて、TPOをわきまえない昴の恰好を「ダサい」と一蹴する。屈辱を味わった挙句、自社の型落ちスーツに着替えさせられた昴は、教師にすら怒られたことがないのに…と苛立ちを募らせて…。 その日の夜、亘に命じられ、社員寮の古びたアパートに引っ越した昴は、人生初の庶民暮らしに悪戦苦闘。気を紛らわせるように爆音で音楽を聞いていると、隣の部屋の住人が怒鳴り込んでくる。それは、昼間に自分を注意したまどかだった——!
まどか(山下美月)にキスをしようとして拒まれた昴(永瀬廉)は、友也(西畑大吾)にまどかのことを調べるよう依頼。プライドを傷つけられた腹いせに、まどかの好みを把握して自分にほれさせよう考えたのだ。しかし、誰もがうらやむ財力をチラつかせても、まどかはなびくどころか一切興味を示さず、昴は自分の誘いを断る女性がいるのかと衝撃を受ける。 そんななか、まどかは8年ぶりに再始動することになった子供服部門への異動が決まり、念願だった仕事に携われることを喜ぶ。しかし、そこには亘(鹿賀丈史)の差し金で配属された昴と友也の姿も。そのうえ、昴は少子化を理由に子供服部門を真っ向から否定し、会社は富裕層向けのハイブランドを手がけるべきだと断言。子供服に特別な思い入れがあるまどかは我慢できずに反論し、昴と言い争いになってしまう。 配属先に納得がいかない昴は、亘になぜ自分が子供服部門なのかと尋ねるが、電話口の亘は「お前が一から学ぶには、一番いい部署だ」と言うだけで、多くを語ろうとしない。さらに、亘は昴の伝家の宝刀であるブラックカードも止めてしまい、昴は降りしきる雨の中、タクシーで帰ることすらできず、会社の玄関で立ち尽くす。するとそこへ、偶然、折り畳み傘を手にしたまどかが出てきて…。
「お前が好きだ」——。思わず口から出た言葉に自分でも驚いた昴(永瀬廉)は、慌てて発言を撤回。突然の告白に一瞬動揺を見せたまどか(山下美月)もまた、そんなはずはないと気を取り直し、傘を手に「送るよ」と声をかけてきた成田(小関裕太)と会社をあとにする。昴は、自分がまどかを好きになるはずがないと思いながらも、なぜか、成田と相合傘で帰るまどかに苛立ちを覚えて…。 そんななか、まどかたちは週末に、とある子供服専門店で売り場見学をさせてもらえることになり、成田は自分とまどかのほかに行きたいメンバーを募る。すると、子供服に激しい拒否反応を示していた昴が即座に手を挙げ、友也(西畑大吾)は、昴の中に恋心が芽生えたことを確信する。 ところが、現地までの交通手段が電車だと知った昴は、幼い頃、亘(鹿賀丈史)から「絶対に電車に乗ってはいけない」と教えられたことを思い出し、恐怖で震えが止まらなくなる。しかし、自分が行かなければ、まどかと成田は2人きり——。考えただけで胸がざわつくと話す昴に、友也はその感情の正体を教える。 一方で、まどかの後輩・リリー(中村里帆)から、温室育ちのお坊ちゃんは所詮、まどかの恋愛対象にはなれないと言われた昴は、電車を克服して自分も本物の庶民になると意気込む。しかし迎えた週末、なんとか一人で駅までやってきた昴の前には、高いハードルが待っていて…。
お金を持たない自分はあまりに無力だと思い知った昴(永瀬廉)は、外見や財力ではなく、自分の言葉をまっすぐ信じてくれたまどか(山下美月)に、本気で惹かれていく。一方のまどかは、ただの同僚で、そのうえ相性も最悪な昴をなぜ心配したりしたのか、自分の行動に疑問を抱く。 まどかへの恋心を確信した昴だったが、リリー(中村里帆)の話によれば、まどかには好きな人がいるらしい。しかも、その相手が成田(小関裕太)だと気づいた昴は、途端に成田をライバル視するが、成田もまた、距離の近い昴とまどかの関係に、ある想いを抱いていた——。 そんななか、子供服部門に突然、社長の東雲香織(筒井真理子)がやって来る。服天の子供服再興に懐疑的な香織は、昴たちに1年以内にヒット商品を生み出すよう命じ、できなければチームを解散させると厳しい条件を課す。一同の間に重い空気が漂うなか、チーフの成田は早速、各自で新商品のアイディアを考えるよう指示。しばらくして、メンバーそれぞれが、自分の考えた新商品を提案する日がやって来る。 プレゼンにあたり、まどかは近隣の保育園を回り、独自に保護者のニーズを調査。その結果をもとに、あるデザインを提案するが、それを見た昴は「こんな服着て、子どもはワクワクすんの?」と、あまりにストレートな物言いで反論する。その言葉に思わず険しい表情を見せるまどかだったが、そこには特別な感情があって…。
成田(小関裕太)がまどか(山下美月)にキスしようとしている場面を目撃した昴(永瀬廉)は、ショックのあまり、渡すはずだったプレゼントをその場に落とし、逃げるように立ち去る。2人がすでに付き合っていると思い込み、眠れない一夜を過ごした昴だったが、翌朝、それは誤解だと判明。しかし安心したのも束の間、成田から「いずれ(まどかと)付き合いたいと思ってる」と宣戦布告され、さらに、まどかと成田が週末に2人きりで出かけると知った昴は、ライバルに先を越されたことに悔しさがこみ上げる。 昴と成田が自分をめぐって攻防戦を繰り広げていることなど知るよしもないまどかは、新商品のアイディアを一緒に考えて以来、昴がふとしたときに見せるやさしさや、想いをストレートにぶつけてくることに、いつの間にか胸が高鳴るように。さらに、プレゼントに込められた昴の思いを知ったまどかは、拾って持ち帰っていたプレゼントをこっそり開けて…。 その頃、友也(西畑大吾)は亘(鹿賀丈史)に呼び出されて天堂家を訪れていた。「君に打ち明けたいことがある」——亘はそう言って、昴の親友である友也に、あることを伝える。一方、服天の子供服部門の再興はメディアでも取り上げられ、掲載されたまどかのインタビューとメンバーの集合写真を憎悪に満ちた目で見つめる人物がいて…。
炎が燃え広がる中、昴(永瀬廉)がミニトマトの鉢植えを取りに行ったことを知ったまどか(山下美月)は、思わず目の前の昴を抱きしめ、涙を流す。駆けつけた亘(鹿賀丈史)もまた、昴が無事だったことに安堵し、火災の原因が放火で、しかも寮の修繕に時間がかかることから、しばらくの間、まどかも天堂家で一緒に暮らすという昴の提案を受け入れる。 まどかから抱きつかれたうえ、思わぬ形で共同生活を送ることになり、喜びを隠しきれない昴だったが、天堂家の豪邸に足を踏み入れたまどかは、あらためて昴とは住む世界が違うと痛感。それでも、自分の想いにまっすぐで一歩も引く気配のない昴に、なぜかドキドキしてしまう。 そんななか、リリー(中村里帆)から翌日が昴の誕生日だと聞いたまどかは、迷った末にプレゼントを用意する。しかし翌朝、出勤してきた昴の両腕にはすでに大量のプレゼントが。しかも、どれも高価なブランド品ばかりで、まどかは思わず自分のプレゼントを隠してしまう。さらに、終業後には社内の昴ファンが生誕祭を開催。昴に向けられる黄色い歓声にモヤモヤした気持ちが募り、なかなか会場に入れないまどかだったが、やがてステージ上の昴の口から意外な言葉が飛び出す。 一方、亘のもとには、寮の放火について犯人が分かったと香織(筒井真理子)から連絡が入る。その人物は…。
元同僚の瀬沼楓(岡本夏美)に襲われたまどか(山下美月)を間一髪のところで助けた昴(永瀬廉)は、冗談半分でねだったキスに、まどかが応えてくれたことに大喜び。翌日には早速、亘(鹿賀丈史)や友也(西畑大吾)の前で彼氏を気取るが、まどかは恋人関係を真っ向から否定。想いが通じ合ったと思ったのも束の間、これまでと変わらずつれない態度をとるまどかに、昴は肩を落とす。しかし、まどかが昴の気持ちを受け入れられないのには理由があり、そうとは知らない昴は、自分と同じく本気でまどかを想っている成田(小関裕太)の態度に焦りを募らせ、ある行動に出る。 『服天』では展示会に向けた準備が着々と進められ、まどかや成田をはじめ、精力的に働くメンバーをと仕事をするうちに、以前は服作り以外に興味がなかった昴の中にも徐々に後継者としての意識が芽生え始める。時を同じくして、亘の元には、成田から直接会いたいという連絡が…。
成田(小関裕太)が亘(鹿賀丈史)の孫で、『服天』のもう一人の後継者だと聞かされた昴(永瀬廉)。そのうえ成田は会社を継ぐことを望んでいるといい、いずれ会社を継ぐと思っていた昴は戸惑いを隠せない。一方のまどか(山下美月)も、上司として尊敬していた成田から突然「好きだ」と告白され、激しく動揺。さらに、昴から成田の素性を打ち明けられ、驚く。 翌朝、昴は成田に詰め寄り、後継者として名乗りを上げた真の目的を問いただす。しかし、成田は昴のけん制など気にも留めず、「譲る気はないよ、この会社も、花倉も」と宣戦布告する。2人は、どちらが後継者にふさわしいかを競うようにして展示会で激しい火花を散らすが、その会場で、大口の取引先相手に思わぬハプニングが。昴とまどかが特別な思いで生み出した商品にも想定外の事態が発生し、まどかは心労のせいか、体調を崩してしまう。 その夜、まどかを看病した昴は、まどかが成田に告白されたことを知る。動揺しながらも、真面目な性格ゆえ、まどかが自分と成田、どちらの気持ちにもきちんと答えを出そうと思い悩んだことを察した昴は、これまでの積極的なアプローチからは考えられない、意外な言葉をかける。さらに、次の休みに2人で出かけようとまどかを誘うが…。
15年前、寒空の下で手袋をくれた少年が昴(永瀬廉)だと気づいたまどか(山下美月)は、あふれる想いを抑えきれず、ついに昴の気持ちを受け入れる。しかし、幸せな空気に包まれたのも束の間、帰って来たまどかに、父・豊(飯田基祐)は「お母さんのことで話がある」と切り出す。母親が家を出て行ったのはあまりに幼い頃だったため、その顔すら覚えていないまどか。それなのになぜ今さら母親の話などするのかと怪訝に思っていると、豊が差し出した写真には、幼いまどかを抱っこした香織(筒井真理子)が写っていて…。 しばらくして、昴とまどかが社員寮に戻る日がやって来る。すると、荷物の中からまどかが大事に保管していた『服天』の内定通知書が出てきて、思わず「一番憎い人の会社で働いていたなんて…」とつぶやくまどか。その複雑な胸中を察した昴は、まどかにあることを尋ねる。 同じ頃、友也(西畑大吾)はまどかと付き合うことになったと嬉しそうに報告する昴の顔を思い出し、寂しさを募らせていた。しかもこの日は友也にとって特別な日だったが、昴はすっかり忘れている様子。もう昴の隣にいるのは自分じゃない——そう思っていると、『服天縫製工場』の工場長を務める父親から、会いたいと連絡がきて…。