平蔵(中村吉右衛門)が、初めて陰陽師の山口天竜(佐川満男)を見たのは、軍鶏鍋屋「五鉄」であった。不遜な態度で店をあとにする天竜に、平蔵も苦笑い。ある日、平蔵と密偵・相模の彦十(江戸家猫八)は、その天竜が懐中の物をすられる場面を目撃する。平蔵は、すりを追いかけ捕まえた。すったのは、伊太郎(有薗芳記)という若者で、盗んだ袱紗包みからは、三十両の大金と薬包のようなものが出てきた。そこには白い散薬が入っており、平蔵はその匂いをかいで眉をひそめた。調べると、それは南蛮渡来の毒薬だった。きな臭さを感じた平蔵は、天竜の身辺を洗う。すると天竜は最近、五千石の大身旗本・土屋左京家に出入りがかない、相当に羽振りがいいことがわかった。土屋家の何者かが大金で天竜を釣り、誰かの毒殺を計ったと思われるが、土屋左京には相応の権勢があり、調べを進めた上でしくじれば、腹を切る覚悟が必要だった。平蔵たちの命がけの調べが始まった。
Name | Type | Role | |
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Kikuma Shimoizaka | Writer | ||
Akihiro Masuda | Director |