夜道を、長谷川平蔵(中村吉右衛門)と木村忠吾(尾美としのり)が歩いていると、覆面をつけた刺客・石動虎太郎(いするぎ・とらたろう/尾上菊之助)が現れる。急襲に、剣の使い手である平蔵も追い詰められるが、間一髪のところで、一撃を浴びせ追い払う。以前にも、平蔵の部下である酒井祐助(勝野洋)らが刺客に次々と襲われ、小柳安五郎(谷口高史)に至っては命を落としていた。刺客と相対した平蔵は、刺客の構えが若いころに牛久で手合わせをした剣豪の構え「雲竜剣」と似ていることを思い出す。 平蔵が襲われた翌日、平蔵宅の門番が刺客に斬られ命を落とす。刺客の大胆な犯行に、苦渋の表情を浮かべる平蔵。さらに数日後、平蔵らの同様に乗じるように、牛込の薬種屋「長崎屋」に凶賊が押し入り、16名が惨殺される事件が起こる。自分たちのことにかまけて、見回りが手薄になっていたことを悔やむ平蔵は、上司の京極備前守(橋爪功)に、見回りの増員を頼み、犯人を捕まえることに執念を燃やす。密偵のおまさ(梶芽衣子)や五郎蔵(綿引勝彦)の働きで、牛久に行き場のない年寄りや貧しい人々が無料で泊まる「報謝宿」があり、それを元武家で医師の堀本伯道(田中泯)が営んでいることが分かる。伯道は「雲竜剣」の使い手で、盗賊でありながら、本気で人助けをしているとのこと。 その後、平蔵は謎の刺客・石動虎太郎をおびき寄せるため、あえて一人で市内を見回る。夜道で虎太郎と出会う平蔵。一触即発の状況下に、伯道が姿を現す。共に、「雲竜剣」の使い手である伯道と虎太郎は実の親子であった。若いころに、手合わせをしていた平蔵と伯道、そして父・伯道との間に深い葛藤があり、悪に手を染めることとなった虎太郎が一堂に会し、物語は衝撃的な結末を迎える。
Name | Type | Role | |
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Megumi Tamura | Writer | ||
Tomohiko Yamashita | Director |