元盗賊・泥鰌の和助(石橋蓮司)は、不破の惣七(寺島 進)、その手下の鎌太郎(吉見一豊)に盗みの助ばたらきと人集めを持ちかけた。五年前に足を洗った和助だったが、ある事情から、生涯最後のお盗めを企んでいたのだ。だが、和助は、盗みの日取りも押し入り場所も明かそうとしない。いら立った惣七は、和助が引き取って育て上げた徳次郎(福士誠治)を、自分の情婦のおみね(酒井美紀)に誘惑させ情報を得ようとする。おみねに迫られた徳次郎は、和助からお盗みの詳細を聞き出そうと探りを入れるが、のらりくらりとかわされてしまう。そのころ、密偵のおまさ(梶芽衣子)が、昔馴染みであるおみねと再会したことで、一味の動きが発覚。平蔵(中村吉右衛門)は、和助や惣七の存在を知ることとなった。かつて和助は腕利きの大工で、屋敷や大店の新改築の際、密かに盗み細工を仕掛けていた。家の図面も写してあり、何年か後に忍び込み、あとは盗むだけという手際の良さで、盗まれたことに半月たっても気がつかないこともあったという。自ら和助のあとをつけた平蔵は、その顔を見て驚く。まだ『本所の銕』と呼ばれていた若かりしころ、自分にある言葉をかけてくれた人物だったのだ。平蔵はさらに和助を付けるが、ふとしたところで気づかれてしまう。
Name | Type | Role | |
---|---|---|---|
Narito Kaneko | Writer | ||
Keiichiro Yoshida | Director |