ある日、密偵・相模の彦十(江戸家猫八)は、茶店で男女ふたり組がすりに遭うのを見かけ、すりから財布を取り返した。その財布の中には『萬さえもん』と書かれた札があった。それは、二十年以上も上方を荒らし回った大盗・白根の万左衛門(岡田英次)の名札だった。万左衛門は、押し入った先々の神棚にこの名札を貼りつけてきたのだ。平蔵(中村吉右衛門)は、万左衛門の一味が江戸に入ったとみてふたり組の手がかりを探らせ、それが万左衛門の義娘・おせき(岡本 麗)と、その亭主・鶴吉(石丸謙二郎)だとわかる。一方、七十二歳の万左衛門は自らの死期を悟り、江戸での盗みを断念していた。おせき、鶴吉、配下の長兵衛(西田 健)を集めると、自分が死んだら京都の自宅にある隠し金二千両を、手下全員で分けるようにと命じた。だが、話を聞いた誰もが二千両を独り占めしようと考え始める。一方、平蔵は万左衛門の引き込み役と思われる、お沢(西岡慶子)に目を付けていた。
Name | Type | Role | |
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Tatsuo Nogami | Writer | ||
Mikiya Kashima | Director |