京都の金箔師「吉文字屋」に盗みに入ったのは、釜抜きの清兵衛(須永克彦)とその一味だった。周到な準備を重ねたその仕事で七百六十両もの大金を奪い、吉文字屋がそれに気づいたのは五日後のこと。この手引きをしたのが雨隠れの鶴吉(石原良純)と、その女房・お民(早野ゆかり)だった。ふたりは十二年ぶりに故郷の江戸に里帰りする。鶴吉は、そこで幼少のころの知り合いである井関録之助(夏八木勲)と再会し、録之助のはからいで疎遠になっていた実父・万屋源右衛門(織本順吉)と対面。愛人の子供であった鶴吉は幼少のころから苦労を重ね、十六のときに家を飛び出したきりだった。そんな鶴吉に、源右衛門は万屋を継いでほしいと言い出した。そのころ、平蔵(中村吉右衛門)は、凶悪な盗みを働く稲荷(とうが)の百蔵(阿波地大輔)一味の動きを追っていた。そんな中、お民はかつて仕えていた百蔵一味の音五郎(荘司 肇)が万屋にいることに気づくのだった。
Name | Type | Role | |
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Tetsuro Abe | Writer | ||
Yoshiki Onoda | Director |