平蔵(中村吉右衛門)は、密偵・相模の彦十(江戸家猫八)とともに、久しぶりに母の実家である巣鴨の豪農・三沢仙右衛門(北村和夫)の家を訪ねた。のっぺい汁を堪能し、仙右衛門と王子権現に参詣しようと向かっているところで、あごにほくろのある女(坂口良子)とすれ違った。仙右衛門は、あれは笠屋の女房・お富だが、ほくろはないはずだと言う。彦十から、あごにほくろのある女スリのことを聞いたことを思い出した平蔵は、翌日、お富を尾行する。すると、見事な早業で、続けざまに三人から財布を抜き取ったのだ。平蔵は、お富から糸をたぐっていけば、意外な大物に当たるかもしれないと内偵を続けさせた。お富は、卯吉(中西良太)と所帯を持ち、幸せな日々を送っていた。だが、かつて江戸市中でもそれと知られたスリの元締、霞の定五郎(睦 五朗)の娘だった。お富は、昔の仲間である岸根の七五三造(片桐竜次)から、百両用意しないとその素性をばらすと脅されていたのだった。
Name | Type | Role | |
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Hideo Ando | Writer | ||
Masahiro Takase | Director |