広島県竹原市の沖に浮かぶ大久野島。ウサギの楽園として知られるこの島では戦時中、日本軍の毒ガスが作られていた。製造に携わった94歳の元工員が抱える苦悩と葛藤。毒ガスが使用された中国の村では、今も悲痛な苦しみを抱えて生きる人たちがいた。毒ガスはなぜ製造され、使われたのか。毒ガスを使用した日本軍の記録と、元兵士の肉声が残されていた。毒ガスを使われた者、毒ガスを作り、使った者、それぞれの心に残る傷痕とは。