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春がくれば

今川キャプテンに誘われて大きな総合病院に向かう投馬と走一郎。そこに入院していたのは、二階堂だった。本当に奇跡だったと言われるぐらい成功率の低い手術を乗り越えた二階堂が、投馬と走一郎に初めて胸の内を語る。昔、明青学園のピッチャーだった二階堂の父は、中・高等部の6年間で一度もエースナンバーをつけることなく卒業していった。その後、親の会社を継いで大企業に成長させ、40歳をすぎて一人息子を授かる。野球を始めた息子は中等部1年の秋に背番号1を背負い、父親は人目をはばかることなく「天才」と周囲に自慢しまくった。だがその半年後、息子の心臓に異常が見つかった。残された時間、一試合でも多くマウンドで背番号1を背負った姿を見せることが親孝行だと考えた二階堂は、父の親友である黒柳監督に無理を言って野球を続けていたのだ。その後、全ての責任を取った黒柳は、何の言い訳もせずに明青学園を去って行った。助からないと思っていた二階堂は、「死ぬ前のわがままくらい大目に見ろ」とうそぶく。「散々言った二階堂さんの悪口も謝りませんから」と言いながら、受け入れる二人。その日、家に戻ると、二階堂の父が二階堂のつけていた背番号1を持って訪ねて来る。明青学園には、エースを受け継いだ者は、一試合だけ先代のエースの背番号を借りて戦い、その後で新しいものに付け替えるという伝統があった。さまざまな思いの詰まった背番号1を受け取る投馬。季節は流れ、投馬と走一郎を中心に再始動する野球部。中3の夏の大会でノーヒットノーランを記録するなど、周囲に知られる存在になっていた立花兄弟は、明青学園高等部への進学を決めていた。そんなある日、パンチの散歩をしていた走一郎が、一人の美少女と出会う。その傍にいたのは、二人の父親・英介が明青野球部の時のチームメイトの大山だった。近所に引っ越してきた大山が、立花家に遊びに来る。散々飲み食いした大山に、何をしにこの町に戻ってきたのかと尋ねる英介。大山は「明青学園高等部、野球部監督」と答える。そして走一郎が出会った美少女・大山の娘の春夏も春から一緒に高等部に入学するという。春夏の存在が気になる走一郎。一方、音美はパンチの散歩の途中、雪が降り積もった坂道を見て、幼い頃の投馬の優しさを思い出していた。春が来れば高校生。いよいよ物語の舞台は明青学園・高等部に移ってゆく。

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  • Originally Aired May 11, 2019
  • Runtime 25 minutes
  • Network YTV (JP)
  • Created October 1, 2019 by
    Administrator admin
  • Modified September 16, 2023 by
    gedion82xik