澪(黒木華)の料理が評判で、「つる家」は常連客で毎日賑わっている。小松原(森山未來)や源斉(永山絢斗)も時折訪ねて来る。 ある日、武家の奥方・早帆(佐藤めぐみ)が、料理を教えてほしいとやってくる。早帆曰く、恐ろしく料理が下手で奉公人も逃げ出してしまう腕前とか…、その話に思わず噴き出す芳(安田成美)や種市(小日向文世)ほかつる家の面々…、澪も一気にその人柄に親しみを覚え、種市の許可も出て料理指南を引き受けることにする。実は、早帆は小松原の妹で、いつまでも独り身を通す兄を心配し、澪との関係を探りにきたのだ。そうとは知らず、すっかり早帆と姉妹のように打ち解けた澪は、小松原に対する淡い想いをつい口にしてしまう…。また、ある日、早帆の母親が腎の病でむくみに苦しんでいると聞いた澪…。医師の源斉にむくみに効く薬草に地膚子(じふし)、ほうき草(昔は「ははきぎ」と呼んでいた)の実があることを聞き、源斉の協力をえて、ははきぎ料理に挑戦することに…。寒い中、手作業で恐ろしく手間のかかる「ははきぎ」の下こしらえに、澪の手は赤切れだらけになってしまう…。ようやく完成したははきぎ料理…その食材を早帆に託し、母上様に食べさせてあげてくれという澪を、一刻ばかりと早帆は強引にある武家屋敷に連れていく。早帆は、その屋敷の厨(くりや・台所)で、ははきぎ料理を完成させ、我が母に食べさせてくれという。早帆に言われるがまま、澪は「ははきぎ飯」を心を込めて作り上げていく。まさか、この料理が、澪の人生を左右する一品になるとは知らずに…。 料理を手に、早帆の母・里津(富司純子)の御前に出る澪…早帆の母・里津(富司純子)と初の対面を果たす…。ははきぎの料理に、驚きと幸せそうな笑みを浮かべながら食べる里津の表情に澪も早帆もホッとする。しかし、この後、料理を食べ終えた里津の口から、澪にとっては思いがけない言葉が飛び出してくる…。