出版社で働く高坂健斗(伊藤健太郎)は、漫画雑誌「コミックブーン」編集者。家でも残業するほど仕事熱心で、徹底して準備を重ねることで、予定通りにいかない漫画刊行の作業をそつなくこなす。“ミスターリスク回避”と呼ばれるほど誰よりも仕事に取り組む健斗だが、それは“暇な時間”ができてしまうことが怖いから—。実は、健斗にはかつて小説家を志すも挫折した過去があり、今も「小説を書きたい」という思いを心の奥に秘めながら、本当の気持ちから逃げている。 ある日「コミックブーン」の売れっ子アイドル漫画家・深田ゆず(弓木奈於)が、編集部に断りなく漫画休載を宣言。健斗は彼女を説得するため、直接会いに向かう。 ネットの世論に追い詰められて漫画執筆のモチベーションを無くしていたゆずだったが、健斗に温かくフォローされ、少し心を開く。 ゆずの気分転換のため、健斗は彼女と一緒に散歩をすることに。毎日の散歩を通じ、健斗にすっかり心を許したゆずは、突然彼の家に押しかけてくる—。
漫画雑誌「コミックブーン」編集者として出版社で働く高坂健斗(伊藤健太郎)は、売れっ子アイドル漫画家・深田ゆず(弓木奈於)と付き合うことに。 会社では交際を隠し、ただの“漫画家と担当編集者”としてふるまう。 そんな二人の前に、鈴木みなみ(愛希れいか)が現れる。 派遣社員として新しくコミックブーン編集部にやってきたみなみは、健斗を親しげに呼び捨てにし、ため口で話しかける。 実は健斗とみなみは、6年前に開催された小説家育成合宿プロジェクト「カンヅメ屋敷」の参加メンバーで、ひと夏の間、集団で合宿生活を送っていた。 当時のみなみは「カンヅメ屋敷」の仲間たちから変わり者扱いされていたが、健斗は彼女の唯一の理解者だった。二人の不思議な関係は一言で言い表せないもので—。 みなみとの仲を追求するゆずに対し、健斗は思わず口ごもる。 その後、二人は初めてのデートに出かけることに。しかし、二人楽しく過ごしている時も健斗は敬語が抜けず—。
漫画雑誌「コミックブーン」編集者として出版社で働く高坂健斗(伊藤健太郎)は、売れっ子アイドル漫画家・深田ゆず(弓木奈於)と付き合うことに。 そんな中、「コミックブーン」編集部は新人漫画家を育成するため、「第2の深田ゆず育成プロジェクト」を立ち上げる。 帰宅した健斗(伊藤健太郎)のカバンからプロジェクトの企画書を発見してしまったゆず(弓木奈於)。いつか周りの関心が自分から移り変わってしまうのではと恐怖を抱く。 企画について健斗に問いただし、「自分はお払い箱なのかと思うじゃん」と不安を吐露するが、健斗はピンとこない様子だった。 一方、健斗はゆずの編集者として、最近、執筆活動に行き詰っているように見える彼女のために動き出す。だが、彼女にとっては見当違いもいいところで—。
ゆず(弓木奈於)の交際宣言によって、「コミックブーン」編集部内で健斗(伊藤健太郎)とゆずは周知の仲となった。人気漫画家とその編集者の交際を、皆、冷やかしながらも温かく見守ってくれている。幸せそうな様子の健斗を見て、みなみ(愛希れいか)は昔、彼にかけられた言葉を思い出す。 6年前、小説家を目指していた健斗とみなみは、若者向け小説家育成プロジェクト「カンヅメ屋敷」で出会った。その後、みなみは自身の小説で新人賞を受賞しデビューを果たすのだが、周囲の賞賛や期待を重荷に感じてしまう。受賞記念パーティー会場を抜け出し、「小説家をやめて、普通に幸せになろうかな」と漏らしたみなみに、健斗がかけた言葉とは—。 さらに、そんなみなみの過去を偶然知った編集部の新人社員・たける(鈴木大河)は、彼女に強い関心を示し、近づこうとする。実は、たけるには編集部の誰にも話していない秘密があって—。
18歳で高校を中退した売れっ子漫画家のゆず(弓木奈於)。平凡で幸せな高校生活を送っていた彼女だが、ある日漫画家になる夢を両親から反対される。このままでは自分の人生が両親の思い通りになってしまうと感じたゆずは、家出を決意。 “自分の生きる道は漫画しかない”と信じ、何社もの出版社に漫画を売り込む。 「コミックブーン」で連載が始まり、瞬く間に人気漫画家となった今、ゆずは漫画への情熱に迷いを感じ始める—。 そんな彼女に、大手出版社・光学館コミック編集部の桔川(松下優也)がある提案を持ちかける。 また、コミックブーン編集部は、「第二の深田ゆずプロジェクト」を進める。現役大学生・本島りん(外原寧々)を発掘した健斗(伊藤健太郎)は、彼女の連載デビュー作のマネジメントを冷静に進める。しかし制作は思うように進まず—。派遣社員のみなみ(愛希れいか)は、そもそも「本島りんの漫画が持つ魅力」はなんだと思っているのか健斗に問いかけるが、彼の返答は予想だにしなかったもので—。 一方そんなみなみには、小説家として生きる道をあきらめた経験が。編集部の新人・星(鈴木大河)から斜め上の励ましを受け、みなみの気持ちに変化が生まれ始める。 前に進み始めたゆずとみなみ。健斗を待ち受ける未来とは—。
健斗(伊藤健太郎)が仕事から帰ってくると、恋人・ゆず(弓木奈於)は彼の家から姿を消していた。 「私にしか描けない漫画を描きに行く」という書き置きだけを残し、プライベートの連絡も絶ってしまったゆず。実は彼女は、大手出版社・光学館編集部の桔川(松下優也)の下で、新作を連載する決意を固めていた。 一方、突然の事態に混乱する健斗。たまらず、仕事の打ち合わせを利用して彼女を問い詰める。質問を重ねる健斗と、多くを語らないゆずの、2人のやり取りが生んだ結論とは—。 そんな中、コミックブーン編集部は、新米社員の星(鈴木大河)が起こしたトラブルに大わらわとなる。 トラブルの相手は、作品連載中の漫画家・貫井(遠山俊也)。星の常識はずれな行動に怒り心頭した貫井は、「こんな会社とは仕事ができない」と休載を宣言する。 しかし、編集部も編集部で、貫井の度重なる休載に辟易としていた。編集長・堂島(金井勇太)は、もう彼の作品は打ち切りにするという—。 売り言葉に買い言葉。どう転んでも決別は免れられそうにない状況の中、健斗はある選択肢を提案する。 そして、再び文章を書くことを決心したみなみ(愛希れいか)。連載デビューを控えた現役大学生漫画家・本島りん(外原寧々)にストーリーを提供するべく、アイデア出しに奔走する。 かつてともに小説家を目指した沖(森永悠希)にアドバイスを求め彼の居酒屋を訪れたところ、偶然居合わせたゆずと一緒に飲むことに。話題に上がるのは、当然健斗のことで—。 健斗・みなみ・ゆず。3人の関係は大きく変わっていく—。
大手出版社・光学館の漫画雑誌「月刊ブリエ」で、ゆず(弓木奈於)の新連載が決定した。このニュースは大々的に宣伝され、「コミックブーン」編集部の耳にも入る。 一時騒然となる編集部。こうなったらガチンコ勝負だ、と編集長は前向きに切り替えるが、健斗(伊藤健太郎)は気持ちが追いつかない。 その日、健斗は編集部の星(鈴木大河)と飲みに行く。星にとってはゆずが他社で新連載を開始することよりも、自分が起こしたトラブルのせいで貫井の連載が中止になることの方がショックだったよう。 編集部の下した結論は仕方のないことだった、と説得する健斗に対し、星は本心を語りだす。 そんな中、編集部は現役大学生漫画家・本島りん(外原寧々)の連載デビューに向け、「第二の深田ゆず発掘プロジェクト」を着実に進めていた。 作品のストーリーを担当することになったみなみ(愛希れいか)は、りんが通う大学まで出向き打ち合わせを行う。 プロットと設定を見せながら彼女が描きたい漫画の意向を聞き取ろうとするが、りんはおどおどとして本心を話さない。困惑するみなみの前に、星が現れる—。
「コミックブーン」編集部の星(鈴木大河)は、「漫画、今すぐ描きたいんです。今描かなきゃ僕じゃなくなるんです」と宣言。 漫画家志望だった彼は、せめて漫画の近くで仕事がしたいと三蜂社に入社したのだが、編集者として中途半端に漫画と関わることがかえって辛かったのだと打ち明ける—。 健斗(伊藤健太郎)は、星を新人漫画家・本島りん(外原寧々)のもとへ挨拶に連れていく。健斗は、星が秘密裏に行っていたことを察知していたのだった。健斗とりんの前で、彼が語った本心とは—。 夢を追い求めることを決断した星や、再び執筆活動を始めたみなみ(愛希れいか)の姿を見て、健斗は自分を振り返る。漫画編集者という仕事を「好きじゃないから仕事に選んだ」という健斗だが、誰よりも熱心に取り組み、仕事ぶりも認められている。一方で「小説を書きたい」という気持ちはありながらも、アイデアを段ボール箱にため込むだけで、書き出せない自分がいる。星やみなみのように「書きたいから書く」ということができなかった。 さらに、光学館「月刊ブリエ」の桔川(松下優也)は、ゆず(弓木奈於)の新連載の準備を着々と進めているようだ。大手出版社との勝負が始まろうという中、健斗は連載中の「ちりがみくん」について編集長の堂島(金井勇太)に相談を持ち掛ける。堂島が掛けた激励の言葉とは—。 「ミスターリスク回避」に変化が生まれ始める—。