松方社長(戸沢佑介)が日経協の名誉顧問になったことをきっかけに、ワンダーエレクトロニクス社に不穏な動きが現れ始めた。和歌山副社長(石山雄大)ら役員たちが、謀反を企んでいるのだ。ゴウ(唐沢寿明)は、和歌山たちからそれを打ち明けられ、協力することを誓った、だが、すぐ、その足で、松方専務(段田安則)のもとへ向かい、造反計画の存在をご注進するのだった。しかし、ゴウは本気で松方親子側に付いたわけではなかった。まるで黒澤の「用心棒」のごとく、松方、役員両陣営に互いの情報を漏らして不安を煽り、その権力闘争の構図の中で、次第にイニシアチブを取り始めるのだった。その姿はまさにコウモリのように狡猾であった。そのころ、アユム(反町隆史)は、キイコ(小雪)とともに、シズク(木村佳乃)のマンションにいた。シズクは父が死んでいることを受け入れたものの、そのショックで寝込んでいた。アユムは心配げにシズクを慮る視線を送るが、キイコに「誰も他人の気持ちには入れないのよ」と一喝され、萎縮する。