ある日、純は雪子に東京へ帰りたいと打ち明ける。その夜、五郎は純に直接父さんに言わずに、雪子おばさんを通じて言ってもらうようなやり方は卑怯だと言う。 五郎は、清吉の家から東京の令子へ電話し、純を東京に戻すことを伝える。それから三日がたち、純と雪子は五郎と蛍に見送られながら麓郷を後にし、北村清吉の車で布部の駅まで送ってもらう。そこで、清吉から「敗けて逃げていくんじゃ。」という言葉を聞かされる。電車にゆられながら、純はさっき清吉の言った言葉が頭から離れず、ついに決意をひるがえして麓郷に戻ってきてしまう。