都内のホテルでスキッパー(無銭宿泊者)による高額被害が相次ぎホテルフォルモントでも警戒を高める中、チェックイン時にデポジット支払いを拒否した鈴木にスキッパーの疑いがかかる。チェックアウト時刻が迫りロビーに現れた鈴木を呼び止めてしまった塔子は、精算のためホテルに到着した鈴木の母に不快な思いをさせてしまう。さらにチェックアウト時刻を過ぎてもフロントに現れない井坂の客室に入室したところへちょうど井坂が戻り、デポジットを支払った上で延泊を希望する井坂に、鷲尾はお詫びを込めて客室のアップグレードを申し出る。接待と称したプライベートダイニングルームでの夕食を手配する中で、塔子は井坂がスキッパーであると確信する。そんな折、長期宿泊客でホテルスタッフとも親しくしていた友美がホテル内で倒れ、病院へ搬送される。末期がんで余命宣告を受けていた友美は、かつて亡き夫とともに宿泊し味わった思い出のオムレツ[注 2]を再び味わうため滞在していた。ホテルフォルモントで最期を迎えたかったと言う友美に、塔子はスタッフとの協力で病室に家具やカーテン、ベッドカバーなどを持ち込んでホテルフォルモントの客室のように模様替えし、病室内でシェフ特製のオムレツをふるまう。やがて友美の死を知った井坂は、同郷の友美にレストランで叱られたことが忘れられず、友美に亡き母の姿を重ね合わせて改心し、警察へ自首する旨を塔子に告げるのだった。