WBA世界フェザー級タイトルマッチの第1ラウンド。まるで一歩ばりのファイタースタイルで突進した伊達には、気負いがなかった。一歩がさんざん手こずったリカルドの左を流す伊達は、押し気味に戦いを進める。そして、7年前のメキシコでの試合で、伊達がリカルドに倒された第2ラウンドがやって来た。 リカルドは、いきなり右の必殺パンチを放って伊達を威嚇した。昔を思い出し、反射的にロープ際に下がってしまう伊達。リカルドは、巧みに強打を避けようとする伊達にボディーブローを連打。伊達は、ガードが下がったリカルドの顔面を狙おうとするが、さらに強烈なボディーを食らってしまった。リカルドは、このパンチで伊達を仕留めたと思った。だが、伊達は、リカルドの予想に反して反撃し、壮烈な打ち合いになった。 第3ラウンド。伊達の強さに気付いたリカルドは、それまでの上品で技術的なスタイルを一変させ、暴力的とも思える野獣のようなパンチを放ち始めた。伊達は果敢に反撃するが、リカルドの強さに圧倒されっぱなし。一歩の隣りで観戦する鷹村は、伊達の強さを認めながらも、リカルドの強さがケタ違いだと言い切った。 試合は進み、第9ラウンド。一歩は、ボロボロになりながらも精神力だけで踏ん張る伊達に、起死回生の魔法のパンチがあることを知っていた。それは、コークスクリューブローで相手の心臓をピンポイントで打ち抜く、必殺のハートブレイクショットだ。 ゴングが鳴った後、伊達は、リカルドの強打に耐えながら、懸命にハートブレイクショットのチャンスをうかがった。やがて、リカルドが頭部のガードを
Name | Type | Role | |
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Kazuyuki Fudeyasu | Writer | ||
Jun Shishido | Director | ||
Takasato Suzuki | Director | Episode Director |