音楽シーンを席巻し、3年前に解散した伝説のバンドNITTLE-GRASPER。 そのリーダーでキーボーディストの瀬口冬馬が設立したN-Gレーベル。そこに所属する新人バンドBAD LUCK。愁一は、ある日新曲の歌詞を通りすがりの男に、これでもか!という位ケナされる。その男の態度に腹を立てる一方、愁一の中で何故か気になる存在となってゆく。
男の正体は美形人気小説家・由貴瑛里。クチも性格もサイアクな瑛里だが、愁一は恋人の座をGETすべく猛アタックを開始する。が…由貴のマンションに居合わせた美女に威圧されピンチに陥る。更に、先輩アーティストの前座をつとめることになったライブで新たなハプニングが愁一に降りかかる。
何とか、無事にライブを乗り切ったBAD LUCKの2人だが、社長の冬馬はきついダメを出す。BAD LUCKには致命的な欠点があるというのだ。マネージャーの坂野もクビを言い渡され、愁一は冬馬に対して不信感を露わにしてゆく。折角こぎつけたと思った由貴とのLove×2モードも由貴の冷たい一言で一刀両断にされてしまう。
由貴の態度にもメゲる事なく、愁一は意を決して“押し掛け同居"の強行手段に出る。愁一の勢いに負けて由貴は渋々1週間だけの同居を許可する。再び上昇気分の愁一はノリノリで仕事をこなしてゆく。そして、BAD LUCK初のTV出演が決まり、更に張り切る愁一だったが…
初のTV出演も無事にこなし、強烈なインパクトで知名度をあげたBAD LUCK。規模は小さいながらもメジャー・デビュー後の初のソロ・ライブも決まり、仕事もプライベートも絶好調の愁一だったが、ある日ライブ・リハーサル帰りに不良に絡まれている美少女を助けたことから予期せぬ事態に直面する。
愁一の隠された実力を見せつけられた、ASKの相沢滝は同じヴォーカリストとして焦りを感じはじめていた。スキャンダルとしてマスコミに愁一と由貴の関係を暴露ようとしても却ってBAD LUCKの人気を高める事になってしまい、相沢は愁一への憎悪をますますつのらせてゆく。
相沢は、自分が犠牲になっても由貴の社会的な地位を守ろうとする愁一を脅迫し、最も卑劣な方法で陥れた。その事実をヒロから知らされた由貴は相沢の元へ向かう。由貴の冷徹な迫力に完全にビビる相沢だったが、ふと口にした一言が偶然にも由貴の過去の傷に触れてしまう。
一連の事件も表面上、落ち着きをみせ、愁一たちBAD LUCKのメンバーもファースト・アルバムのレコーディングにプロモーション活動にと忙しい日々を送っていた。そして、正真正銘の音楽番組「ヒットステージ」へのゲスト出演も決まり、張り切る愁一たち。しかし、音楽シーンに新たな波紋が拡がろうとしていた。
ヒットステージでの竜一との競演以来、愁一元気がない。竜一と一緒に歌ったことによってヴォーカリストとしての実力の差をイヤという程、思い知らされたのだ。ファースト・アルバムの発売も迫る中、Kは愁一のテンションを上げるべく、ある策略を瑛里にもちかける。いやいやながらも引き受ける瑛里だったが…
愁一と瑛里のスキャンダルをも、プロモーションにつなげようとするN-Gレーベルのやり方に反発し、ギタリストのヒロが脱退を宣言する。焦る愁一を後目に、ブレイク間近のBAD LUCKへの期待は高まるばかりで、ついにはヒロ抜きでの全国ツアーが発表されることに。
慌ただしいスケジュールの中、発売されたBAD LUCKのファーストアルバムは見事100万枚に到達し、かねてからの約束通り瑛里は愁一との『お台場デート』に出かける。が、幸せそうな愁一とは裏腹に瑛里の表情はさえない。理由を問う愁一に瑛里は自分の過去を話しはじめる。
デートの最中に忽然と姿を消してしまった瑛里は、何日たっても家へ戻って来ない。行き先を知っているらしい冬馬も、騒ぐ愁一を全く相手にしてくれない。そればかりか、瑛里の失踪の原因は愁一自身なのだと冷たく言い放ち、瑛里と別れる様、愁一に決断を迫る。
全国30カ所のツアーは、まもなくZepp tokyoでの初日を迎え様としていた。しかし、瑛里の行方は依然として解らず、遂には冬馬も行き先を把握できない状況にまで事態は深刻化していた。初日を控えて、愁一はツアーを取るか瑛里を取るかの厳しい選択を余儀なくされる。