一平爺さんが預かった一振りのヤマメ竿は、名人芸の冴える逸品ながら、手にした者の心を虜にし、時には命を奪うといういわくつきの怨み竿。一平は、竿を寺で手厚く供養し、それまで決して手を触れないよう言いつけるのだが、魔性に憑かれたように三平は無断で竿を持ち出し、ヤマメ釣りへと出かけてしまう。