1982年夏。9歳の和田喜代美は、父・正典の実家がある福井県小浜市に母・糸子と共に引っ越してきます。正典が若狭塗箸(わかさぬりばし)職人の祖父・正太郎といさかいを起こして以来、10年ぶりの里帰りです。小浜に着いた一家は元芸者の祖母・小梅、叔父・小次郎と喜びの再会を果たします。しかし、正太郎は「後を継ぎたい」と頭を下げる正典を認めようとしませんでした。