木下美雨(芦田愛菜)は、沼津に住む祖父母のもとへと旅立った。父・圭介(豊川悦司)は、美雨がいない寂しさをかみしめながら、いつも通りの生活を続けた。中村産業の社長・中村富美夫(蟹江敬三)や妻の千恵子(丘みつ子)はもちろん、同僚の勝田秋生(三浦翔平)や宗田清(でんでん)も、そんな圭介の心情を察し、気遣っていた。圭介と美雨のことを家族同然に思っている千恵子は、このままふたりが離れてしまっていいのかと心配する。それを知ったアカネ(中谷美紀)や富美夫は、圭介が決めたことなのだから余計なことは言うな、と釘をさした。
数日後、主治医の古賀豊(安田顕)のもとを訪れて診察を受けた圭介は、病状が悪化していることを知る。このまま病気が進行すれば、5年ほどで家族の顔や名前もわからなくなってしまう可能性があるらしい。古賀は、美雨の将来のためにも、いまのうちからいろいろと準備をしておいた方がいい、と圭介に助言する。
そんなある日、千恵子は、事務所で昼食をとっていた秋生に、圭介親子は本当にこのままでいいと思うか、と話しかける。千恵子は、どんな理由があるにせよ親子が別々に暮らすのは間違っている、というと、もう一度美雨の顔を見れば圭介も考え直すのではないか、と続けた。
千恵子の言葉を考えていた秋生は、ある決意を固め、圭介をドライブに誘うが・・・。