諸国武者修行中の林崎甚助は、背も低く身なりも汚らしい浪人であった。その甚助が、ある土地でもののけ退治を請け負うことになった。村では、もののけへの生贄に娘を差し出さねばならぬという。 甚助の他にも、もののけ退治に名乗りをあげた若侍がいた。その若侍・山田八右衛門と共に、彼は生贄に指名された娘の家に厄介になることに。娘と山田はすぐに恋仲になった。 生贄を差し出すその夜、甚助はもののけから見えなくなるという秘薬を体に塗って娘のそばに控え、山田が物陰に潜むこととなった。