麻布で、「秋の虫聞きの会」を楽しんだ東吾(中村橋之助)は、父・弥助(大門正明)と二人で暮らす娘・おすず(遠野凪子)と知り合う。すると、おすずが、かわせみに家出してくる。昔、自分を捨てて駆け落ちした母・おもん(原日出子)が家に戻って来て、再び弥助と暮らし始めたのが許せないのだ。るい(高島礼子)と東吾は、三人に折り合ってもらおうと相談に乗るが、親子の仲も夫婦の仲もまことに難しく、糸がほぐれない。