イラストレーターの律と営業マンの郁哉。二人は幸せな同棲生活を送っていたが自由気ままに生きる律とそれに振り回される郁哉の関係に次第にすれ違いが生じる。ある冬の夜、律は言い争いになった弾みで家から飛び出してしまう。一向に帰宅しない律を心配する郁哉の元に、律の弟・柊路から1本の電話が。郁哉は電話で律が事故に巻き込まれたことを知る。
事故に遭った律から自分の記憶が消えていると知った郁哉。郁哉は付き合っていた事実を律に隠したままゼロから関係性を築こうとルームメイトとして共同生活を再開。柊路からは隠し事はフェアじゃないと言われながらも二人は穏やかな日常を送っていた。ある日律から二人の記憶を辿りたいと頼まれ余り気乗りしないまま二人の思い出の喫茶店に向かう。店に入ると郁哉の心には出会った頃の記憶が甦り…。
律と郁哉は、律が記憶を失う前に予約していた湖の側に建つ別荘を訪れる。暖炉やキッチンを見て初めて来たかのように無邪気にはしゃぐ律。そんな律を眺めていた郁哉は二人が親しい友人関係だった頃のある出来事を思い出していた―。
旅行を経て距離が近くなった律と郁哉。律の記憶は戻らないままだったが、郁哉は出会った頃のような律との関係に喜びを感じていた。そんななか、律のもとに1本の電話がかかってくる。電話の相手は律の元カレの圭吾。出版社に勤める圭吾は、どうやら律に仕事の話があるようで……。
律は郁哉が隠していた箱の中から記憶を失う前に自分が描いた郁哉のイラストや二人の写真を見付ける。友人とは思えない証拠を見せながら律は柊路から二人の本当の関係を聞き出す。大事な事実を隠されていたことにショックを受けた律。問い詰められた郁哉は遂にあの夜の出来事について語り始める―。
本当の関係を隠されていたことにショックを受けた律は、郁哉と生活していた家から出ていくことを決心する。引っ越し当日、律は二人で散歩した川べりや、公園、そして喫茶店へと足を運ぶ。一方郁哉はもう一度律に会って正直に気持ちを伝えようと街を探し回り…。記憶を巡り律と郁哉が織りなす感動の最終話。